2013-07-09

仏教と政治(2)

スリダンマーナンダ長老 著

 それから、現代の政治体制とよく類似するお釈迦様の教えがいくつかあります。

○すべての人間は平等である

 まず、エイブラハム・リンカーンよりもずっと前に、お釈迦様は「すべての人間は平等であり、人間の社会階級やカーストは社会が作った人工的な壁である」と説かれました。お釈迦様によれば、人間を分類するなら「道徳の質」に基づいてするように、と言われています。

○社会協力と社会参加

 第二に、仏教は、社会に協調することや活発に参加することを促しています。これは現代社会の政治でも積極的にすすめていることです。

○法と律を守る

 第三に、お釈迦様の後継者として任命された者はいないのだから、仏教僧団は法と律、いわゆる「法の秩序」に導かれています。今日(こんにち)でも僧団は比丘(僧)の行為を定め導く「法の秩序」を守っているのです。

○民主主義

 第四に、お釈迦様は会議と民主主義を薦められました。これは比丘の社会で見られ、比丘全員に、一般的な問題について決定する権利があるのです。
 注意を要する深刻な問題が起こったとき、その問題は比丘サンガの前に出され、今日(こんにち)おこなわれている議会制民主主義体制と同じようなやり方で議論がされました。二千五百年以上も前の、インドにおける仏教の集会のおこなわれ方が、現代の議会制度の基盤になっているのです。これには多くの方が驚くのではないでしょうか。

 仏教は政治家にたいし、「道徳を守ること、そして責任を持って政権を利用すること」を教えています。

 お釈迦様は普遍的なメッセージとして非暴力と平和を説かれました。暴力を振るったり生命を殺したりすることは認めません。「正当な戦争などはない」と断言しています。
 次のように教えられました。

 勝者は怨みを生み、
 敗者は苦しみに臥す。
 勝利と敗北を捨棄した者だけが、
 安楽に臥す。
(続きます)