2018/10/07

【Q&A】ブッダの教えとは?②

グナラタナ長老への質問


【Q&A】ブッダの教えとは?① の続き


もちろん、ブッダが説いた気づきの瞑想を知らなくても、人は自分の人生経験から智慧をいくらか得ることもできるでしょう。智慧はいつでも起こりうるものです。
賢い人は、自分の過ちや失敗から学ぶこともできるでしょう。また、なかなかやめられずに続けてしまう愚かで軽率な失敗をくり返すのをやめることもできるのです。

しかし、残念ながら、世の中は混乱した教えや混乱した人、混乱した影響でいっぱいです。混乱した教えや思考は、人を迷わせます。それで多くの人は何を受け入れるべきか、何をやめるべきかを判断しきれなくなっているのです。


『ブッダの教えとは?』グナラタナ長老〔著〕出村佳子〔訳〕
『パティパダー10月号』


ブッダの「道」



こうした混乱の中、ブッダは「道」明確に示されました。どのような「道」でしょうか?



まず、「道」の基盤となる戒律(戒)です。私たちはこの戒律を守らなければなりません。

「道」を歩み続けるために必要なものが、心の強さ――集中力(定)です。

そして「道」を歩んでいるときに持つべき目標が、智慧(慧)なのです。

この「道」の到達点(ゴール)は何でしょうか? 
「覚り」であり「解脱」です。苦しみが完全に滅した境地なのです。



 これが唯一の道である。

 見を清らかにするために、

 これ以外に道はない。

 この道を歩むがよい。

 マーラを迷わせるであろう。

 

 この道を歩めば、

 苦しみが終わるであろう。

 矢(欲)の抜き方を知り、

 私はこの「道」を説く。


 ダンマパダ274-275



 Ese va maggo natthañño,

 dassanassa visuddhiyā;

 Etañhi tumhe paṭipajjatha,

 mārassetaṃ pamohanaṃ.

 

 Etañhi tumhe paṭipannā,

 dukkhassantaṃ karissatha;

 Akkhāto ve mayā maggo,

 aññāya sallasanthanaṃ.

       

 Dhammapada 274-275


2018/10/03

【Q&A】ブッダの教えとは?①


グナラタナ長老への質問



Q:質問


なぜ私たちは「気づき(マインドフルネス)の実践」をし、さらに「ブッダの教えを学ぶ」べきなのでしょうか? 

現実の本質や存在の問題について語っている哲学などとブッダの教えは、どのように異なるのでしょうか?



グナラタナ長老〔著〕/出村佳子〔訳〕




A:回答ーグナラタナ長老



ブッダの教えと、哲学的な思想とのあいだには大きな差があります。ブッダの教えは知識や知的好奇心を満たすために学ぶ哲学や思想とは異なるのです。



ブッダは生と死のくり返し、つまり輪廻転生を乗り越える方法を発見し、人々に教えられました。



ご自身が輪廻転生を限りなく繰り返した後、ついにこの輪廻の苦しみを解決する道を見いだしたのです。

その道は、推論的な方法ではなく、実用的で現実的、具体的な実践法です。



まず、ブッダが教えた戒律は、心を訓練し、人生をシンプルにし、覚りの道へと導くための体系的な訓練です。

これは、人が世の中で幸せに生きるための明確なガイドラインになります。



また、私たちが「心が実際どのように働くのか」ということを観察できるよう、導いてくれます。これは単に知的に面白いとか刺激的といったものではありません。



ッダの教えは私たちに、悩み苦しみを引き起こす心と行動の悪い癖をやめるよう、その手段を与えてくれます。つまり、それは単なる思想や洞察ではなく、解脱と覚りへ導く完成された教えなのです。


(続きます)

バンテ・グナラタナ(グナラタナ長老)
『仏教Q&A』(パティパダー10月号)

2018/09/30

預流果に覚る条件〈もくじ〉

『マハーナーマ経(Mahānāma suttam)

 スマナサーラ長老法話

預流果に覚る条件:マハーナーマ経

 ①預流果に覚る条件(その①)

 ②預流果に覚る条件(その②)

 ③預流果に覚る条件(その③)

 ④預流果に覚る条件(その④)

 ⑤預流果に覚る条件(その⑤)

 ⑥預流果に覚る条件(その⑥)

 ⑦預流果に覚る条件(その⑦)


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預流果に覚る条件

法話:アルボムッレ・スマナサーラ長老

編集:出村佳子

根本仏教講義 ➤ 目 次

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生きとし生けるものが幸せでありますように