2026/08/09

生命の栄養(食):『こころの栄養―5つの蓋と7つの悟りの要素〈五蓋と七覚支〉』より

 

   


どんな生命も、「栄養(食)」によって支えられ、維持されて生きています。

「食」を摂り入れなければ生きていられません。


この「食」を、ブッダは4つの要素に分類して教えられました。

一般的に「食」や「食べる」といえば、私たちはパンやご飯など物質としての食べ物しか思い浮かばないでしょう。


しかしブッダは、「生命は、物質的な食べ物以外に3つの要素を摂り入れて4つの食で生きている」と説かれました。


4つの「食」とは、

 1.段食(kabaliṇkārāhāra)

 2.触食(phassāhāra)

 3.意思食(manosañcetanāhāra)

 4.識食(viññāṇāhāra)

 です。


これら4つの食のうち、身体を維持している食が1つ、心の食が3つになります。

4分の3を、心の食が占めているのです。

ここで、心がいかに生命の維持に大きく関わっているか、ということがわかりますね。


では、ひとつずつ見ていきましょう。


チャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)


Sabbe sattā bhavantu sukhitattā


2026/08/01

怒りから心をまもる:『セルフケア:ブッダが教えた〈心〉と〈言葉〉と〈身体〉のととのえ方』より

 

「怒りから心をまもる」より


2番目は、怒り(vyāpāda:ビャーパーダ)から心をまもることです。


怒ると、心はどうなるでしょうか? 苦しくなりませんか?


怒りは、他人を傷つけ、自分を傷つけ、周りの雰囲気を暗くする破壊的なエネルギーです。
ですから、ささいなことで怒らないよう、心をしっかりまもったほうがよいのです。


そこで、怒りが生じたときはいつでも、できるだけ早く、その怒りから離れるようにしてください。
怒りに気づいて、すぐに手放すのです。


もし、怒りがなかなかおさまらなければ、頭のなかで怒りを繁殖させないよう、自分にこう言い聞かせるとよいでしょう。


 「怒りは自分の心を傷つけ、相手の心も傷つける。怒りは苦しみをもたらす。怒りを引き起こすようなことを、もう考えないようにしよう。これ以上、怒りを膨らませないようにしよう。怒りにエネルギーを与えないようにしよう。怒りから離れよう」と。


このように理性を使って考え、怒りから離れることが、2番目の善い思考(不瞋)です。


「怒りは苦しみをもたらす破壊的な感情であり、危険なものだ」ということを理解して、怒りをサッと手放すのです。



『セルフケア:ブッダが教えた〈心〉と〈言葉〉と〈身体〉のととのえ方』

チャンディマ・ガンゴダウィラ長老【著】

Sabbe sattā bhavantu sukhitattā

2026/07/19

こころの柔和さ:『慈経に学ぶ〈15の善習慣〉と〈10の善行為〉』より

   

「⑤心の柔和さ(mudu)より


「どこへ行こうと、何をしようと、柔和であるように」

ブッダはおっしゃいました。



柔和であるためには、心に柔軟性がなければなりません。相手のことを知り、理解することが大切です。


相手はどのような見方や考えを持っていますか?


たとえ意見や立場が違っても、相手のことを尊重し、理解していれば、人間関係はスムーズに運びます。


反対に、家族や友人など親しい人のあいだでも、もし相手の意見や立場を尊重せず、自分のわがままを押しとおし、適切な接し方を知らなければ、トラブルが起こるでしょう。


自分が間違っていて、自分の考えを変える必要があることを知りながらも、それを変えずにいることは、柔軟性に欠けています。結果として、家族や友人、周りの人から疎まれてしまうのです。


ブッダは私たちに、柔和で柔軟になるようすすめています。


柔和な人は穏やかで、精神的に安定しています。


それで、相手やまわりの状況、環境の変化にたいして効果的に対応することができるのです。


「ブッダが説いた〈15の善い習慣〉
『慈経に学ぶ〈15の善習慣〉と〈10の善行為〉』より

チャンディマ・ガンゴダウィラ長老【著】



Sabbe Sattā Bhavantu Sukhitattā