CHIENOWA 文:森岡桃子
わが子の声、ちゃんと聞こえてますか?
大人も子どももラクになるマインドフルネス本
「マインドフルネス=瞑想」ではなく、「マインドフルネス=気づき」
『親と子どものためのマインドフルネス』の著者、エリーン・スネルはオランダ生まれのセラピスト。
オランダと言えば、2013年にユニセフが発表した「先進国における子どもの幸福度調査」で総合1位、2016年にコロンビア大学地球研究所が発表した「幸せな国ランキング」で7位の国です。
ちなみに日本は、「子どもの幸福度調査」は総合6位、「幸せな国ランキング」では53位でした。
幸せの基準や感じ方は人それぞれで、順位づけは難しいと思いますが、日本とオランダの違いは何なのか調べてみました。
私が興味を持ったのは、オランダの「自尊心を尊重する学校教育」です。
オランダでは、授業の時間割を子どもたち自身で決められる上に、小学生だとしても自分の意志で留年することだってできます。
興味があることや、勉強の理解度を考え、自分で決断するのです。
自分がやりたいと思って決めたことは子どもも自主的に勉強するので、「勉強しなさい!」という親の決め台詞はオランダにはきっと存在しないのではないでしょうか。
この決め台詞がないだけで、子どもも親も笑顔の時間が増えるはずです。
子どもの気持ちを最優先し、怒らない、強制しない子育てをしたいと考える私にとって、オランダはとても魅力的な国でした。
そして、オランダでは大人だけでなく、子どもたちもマインドフルネスを経験しています。
自主的に行動するための集中力や協調性、落ちつきなどの基礎的な能力をマインドフルネスで養っているのです。
私は本書を読む前は、「マインドフルネス=瞑想」だと思っていて、「頭を空っぽにしてリセットすることで新しい思考が生まれる」といったイメージを持っていましたが、それは間違っていました。
マインドフルネスとは、頭を空っぽにするのではなく、一つのことに集中することで、自分自身のありのままの状態に気づくことでした。
スマホに夢中になり、子どもに話しかけられているのに空返事してしまっていませんか?
忙しく家事をしているときに子どもに話しかけられ、イラッとしてしまっていませんか?
これらの問いにハッとした方、マインドフルネスが必要かもしれません。
落ち着きのない子、すぐ泣いてしまう子、夜なかなか眠れない子、乱暴な子。または、イライラしてばかりの母親、すぐに怒鳴ってしまう父親……。本書にきっと解決のヒントが隠されているはずです。
『親と子どものためのマインドフルネス』を読み、ぜひお子さまと一緒にエクササイズをやってみてください。
続き➡https://www.saison-chienowa.jp/articles/n8ZQy0dl
『親と子どものためのマインドフルネス/1日3分!「くらべない子育て」でクリエイティブな脳とこころを育てる』
著者:エリーン・スネル (Eline Snell),
ジョン・カバットジン (Jon Kabat-Zinn),
翻訳:出村 佳子 (Yoshiko Demura)