2025/12/28

身体の4つの車輪:『身体の苦しみの手放しかた:輪廻からの解放へ』より


第1章 どうすれば、身体の苦しみから逃れられるのか?
ナンディウィサーラ神の問い


身体の「4つの車輪」(catucakkaṃ)


まず、ナンディウィサーラ神が語った「身体にある4つの車輪」とは何でしょうか?


それは、私たちが身体でおこなうあらゆる姿勢のことです。

姿勢には4つあります。
「歩く・立つ・座る・横になること(行・住・坐・臥)」です。


『四念処経  Satipaṭṭhāna Sutta(サティパッターナ・スッタ)』をご存じでしょうか?

これは「4つの気づき」について説かれた経典です。

4つとは「身・受・心・法」のことで、それぞれ「身体・感受・心・法」を意味します。


この1番目の「身体への気づき」のことをパーリ語で「kāyānupassanā(カーヤーヌパッサナー)」といい、そのなかのひとつに「4つの姿勢への気づき」が含まれているのです。


『四念処経』においてブッダは、

歩いているときには「歩いている」と気づき、

立っているときには「立っている」と気づき、

座っているときには「座っている」と気づき、

横になっているときには「横になっている」と気づくように

と説かれています。


そこで、「歩く・立つ・座る・横になる」姿勢の4つが、身体における基本的な姿勢です。

身体は、これら4つの姿勢を実行します。

そのなかで、私たちは手足や身体を動かしたり、曲げたり、伸ばしたり、姿勢をかえたりなど、さまざまな動きをしています。


ナンディウィサーラ神は、身体でおこなう4つの姿勢のことを、「4つの車輪」と呼んでいるのです。


『身体の苦しみの手放しかた:輪廻からの解放へ
Nandivisāla Sutta(ナンディウィサーラ経)』
より

チャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)

Sabbe sattā bhavantu sukhitattā