ラベル 新刊 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 新刊 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2020/06/23

Papañca to Nippapañca: Mental Proliferation to Mental Non-Proliferation


私たちの心は、なぜ汚れてしまうのでしょうか? なぜ妄想するのでしょうか? 妄想はどのように起こるのでしょうか? 妄想と思考、煩悩との関係は? チャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)日本語版『妄想の対処法:認識プロセスを観察し、妄想ループを絶ち切る(蜜丸経)』の原著改訂版。改訂版では、妄想の仕組み、妄想と煩悩との関係などが、さらに深く掘り下げられ、わかりやすく解説されています。


Papañca is one of the most helpful Theravāda Buddhist teachings used to understand how our thoughts become impure and the most compelling account of this subject is the Madhupiṇḍika Sutta. Since many writers don't utilize papañca when alluding to defilements, many readers discover the setting of mental purification hard to understand. If we seriously want to learn how to keep our mental purification unadulterated from defilements, we should figure out how the mental purification can be tainted through papañca.


■ Contents

Introduction
What is Papañca?
Papañca (the process of Mental Proliferation)
Understanding the connection between Papañca and Kilesa / Upakkilesa
  1. Abhijjā - visamalobha
  2. Byāpada (vyāpāda)
  3. Kodha
  4. Upanāha
  5. Makkha
  6. Palāsa
     a) Choose when to engage, and on what topics
     b) Depersonalize the situation
     c) Focus attention on the palāsin
     d) Remain calm and composed
     e) Turn reactions into constructive and probing pro-actions
     f) Think ahead to avoid traps
  7. Issā
  8. Macchariya
  9. Māyā
 10. Sātheyya
 11. Thambha
 12. Sārambha
 13. Māna
 14. Atimāna
 15. Mada
 16. Pamāda
The contents of Papañca: Taṇhā, Māna and Diṭṭhi
Papañcasaññāsankhā and Vipallāsa
The difference between Saññā and Abhiññā
Transforming the Mind from Mental Proliferation into Mental Non-Proliferation means taking care of the Mind
Conclusion
Bibliography
About the Author

■ About the Author

VEN. DR. CHANDIMA GANGODAWILA, a Canadian Buddhist monk, is the Senior Advisor to Paṭisota.

In 2015 he earned a Ph.D. in Sanskrit from the University of Sri Jayewardenepura in Sri Lanka with his work, “ An Annotated Translation Into English Of Ratnamālāvadāna With A Critical Introduction ”. Majoring in Sanskrit and minoring in both Pali and Buddhist Philosophy, he earned a BA with First-Class Honours in 2008, receiving the Sri Soratha Gold Medal as the student with the highest marks in the Faculty of Humanities and Social Sciences at the University of Sri Jayewardenepura.

Recipient of the University of British Columbia Faculty of Arts Research Grant (2016-2017), Ven. Dr. Chandima has lectured in Sanskrit at the University of Victoria, British Columbia (BC); the University of Sri Jayewardenepura; and the Buddhist and Pali University of Sri Lanka. He served as Resident Buddhist monk at the Ottawa Theravada Buddhist Vihara (2018-2020), Alberta Buddhist Vihara Association (2016-2017), and at the Buddhist Vihara Society in BC (2011-2016), where he was also Principal of the Dhamma School. From 2012 to 2016, he served as Theravada Buddhist Chaplain at the University of British Columbia, Vancouver, and in 2016 was a Research Fellow at the Centre for Studies in Religion and Society of the University of Victoria, BC. He also collaborated at the Nagaoka National College of Technology in Nagaoka, Japan.

At his Paṭisota Blog (https://patisota.blogspot.com), he presents a fluent and articulate rendition of the original Pali Suttas and Abhidhamma, carefully striving to avoid anything that would blur or distort the words of the Buddha.


2020/05/05

涅槃への道を妨げるものー『老いない経(ナジーラティ・スッタ)』


涅槃への道を妨げるもの: 『老いない経(ナジーラティ・スッタ)』

ブッダは幸福の道を教えられました。その道には、明確な終着点(ゴール)があります。ゴールはどこでしょうか?

心や身体の苦しみなど、あらゆる苦しみが滅したやすらぎの状態=涅槃(Nibbāna)です。

ブッダは私たちに、ゴールと、そこに至る道を示されたのです。


とはいえ、そのゴールにすぐにたどり着けるわけではありません。

道を歩んでいるとき、さまざまな妨害物にぶつかったり、前に進めなくなったり、後退したり、道から外れてしまったりするのです。

何がそうさせるのでしょうか?

どうすれば道をまっすぐに進めるのでしょうか?

ブッダの教えから学んでみましょう。


【目 次】

はじめに 仏道には終着点(ゴール)がある

第1章 一つ一つ、ハードルをのりこえて

老いるものとは? 老いないものとは?
外れた道とは?
諸善の障害とは?
昼夜、滅びゆくものとは?
梵行(清らかな生き方)の垢とは?
水のない沐浴とは?
財をなくす穴はいくつあるか?
6つの穴
 ① 怠惰(ālasya)
 ② 放逸(pamāda)
 ③ 無気力(anuṭṭhāna)
 ④ 不管理(asaṃyama)
 ⑤ 眠気(niddā)
 ⑥ 倦怠(tandī)
 6つの穴を避ける

第2章 前進と成長に必要な力

精進(viriya)を育てる
「善」のエネルギーを継続する


著者紹介

※チャンディマ・ガンゴダウィラ長老のプロフィールと書籍はこちら(画像クリック)でご覧いただけます。



チャンディマ・ガンゴダウィラ長老の電子書籍「Sukhi Hotu出版」
Books


※本書は『Patipada』誌で連載したものに、さらにチャンディマ長老にお伺いして加筆修正し、新たな一冊として刊行したものです


生きとし生けるものが幸せでありますように
Sabbe sattā bhavantu sukhitattā


2020/04/23

8 BUDDHIST TIPS TO OVERCOME COVID-19 FEAR


Bhante. Dr. Gangodawila Chandima 8 BUDDHIST TIPS TO OVERCOME COVID-19 FEAR
8 BUDDHIST TIPS TO OVERCOME COVID-19 FEAR


Dear Friends,


Since COVID-19 has been a hot topic, it was my contemplation that the fears and anxieties associated with COVID-19, should be addressed with Buddhist teachings in a careful manner. Most people are in limbo about science and spirituality. They are not happy with each other during this dire situation. Therefore, writing an English book to overcome COVID-19 fear, was a desideratum for me.
May this book be a solace to everyone who is struggling with COVID-19!

May you be well and happy!

Bhante Dr. Gangodawila Chandima


2020/04/05

新型コロナウイルスへの不安と恐れを乗り越える8つのポイント

☆新刊です。

『新型コロナウイルスへの不安と恐れを乗り越える8つのポイントチャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)
です。よろしければ、ぜひご一読ください。
Google Books

Patipada(パティパダー)5月号』にも、本書の内容とほぼ同じ内容のもの掲載されています

生きとし生けるものが幸せでありますように。




本書はカナダで感染が急速に拡大し始めた3月22日、オタワのお寺で説かれたチャンディマ長老の法話の日本語訳です。


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大の影響を受け、世界中の多くの人が不安や恐れ、ストレスを感じています。
さまざまな情報が飛び交うなか、どのように対応してよいのか、わからない状態でいます。
さらに、感染することへの恐れや孤立することへの恐れ、収入が減ることへの恐れ、仕事がなくなることへの恐れなど、心にはこれまでに感じたことのない感情が、次々に湧き起こってきます。
私たちはこの心の問題にどう対応していけばよいのでしょうか?
仏教の観点から、ポイントを8つご紹介いたしましょう。

【目 次】

はじめに
1 専門家のアドバイスに従う
2 家族との時間を大切にする
3 善行為(kusala)をする
4 意味を理解して経典を唱える
5 慈しみと思いやりを広げる
6 心を観察する(マインドフルネス)
7 あらゆるものごとは「過ぎ去る」ことを観察する
8 理解し、みなで協力する
著者紹介


※G.チャンディマ長老の書籍はこちらです。


 チャンディマ・ガンゴダウィラ長老の電子書籍「Sukhi Hotu出版」


生きとし生けるものが幸せでありますように
悩み苦しみがなくなりますように

Sabbe sattā bhavantu sukhitattā


2020/02/24

『新しい生き方を切り拓く7つの実践ー小業分別経』


『新しい生き方を切り拓く7つの実践ー小業分別経』チャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)が刊行されました。


『新しい生き方を切り拓く7つの実践ー小業分別経』チャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)
『新しい生き方を切り拓く7つのステップー小業分別経』
チャンディマ・ガンゴダウィラ長老


物質的な幸せであれ、精神的な幸せであれ、世俗的な幸せであれ、出世間的な幸せであれ、何かしら幸せを享受するためには、心や感情、煩悩を管理することが欠かせません。
怒ったり、嫉妬したり、欲張ったりしない心、そういった善い心や行為によって、私たちはおのずと幸せへと導かれていくのです。

生命を殺すのではなく、慈しむことによって、
生命を傷つけるのではなく、思いやることによって、
怒るのではなく、怒らないことによって、
嫉妬するのではなく、他者の幸せを喜ぶことによって、
物惜しみをするのではなく、施すことによって、
傲慢になるのではなく、謙虚になることによって、
問うべきことを問わないのではなく、問うべきことを問うことによって、
善い原因がつくられ、条件がそろったとき、おのずと善い結果が現れる、とブッダは教えられました。

この因果法則としての〈業の法則〉を理解し、執着のない善い心で、日々淡々と善い行為をおこない、さらに心を清らかにしようと精進するなら、やがて一切の苦しみを乗り越える智慧が現れるでしょう。

【目 次】


はじめに――人のあいだに見られる差


第1章 何が人生をつくるのか?


■ 業〈カルマ〉についての誤解
■ ブッダが教えた「業」とは?
■ 「業」から見れば、人はみな公平
■ ごまかさずに自分を正直に観ることができるか?
■ 「業」とは何か?――その正体
 ・業だけが自分のもの(kammassakā)
 ・業を引き継ぐ(kammadāyādā)
 ・業から生まれる(kammayonī)
 ・業は切り離せない(kammabandhu)
 ・業はよりどころ(kammapaṭisaraṇā)
 ・生命に優劣をつけているのは「業」
 
■ 5つの法則
 ・自然の法則(utu-niyāma)
 ・種子の法則(bīja-niyāma)
 ・業の法則 (kamma-niyāma)
 ・心の法則 (citta-niyāma)
 ・法の法則 (dhamma-niyāma)

■ 身・口・意を管理する


第2章 善い結果に導く7つの実践


1 慈しみの実践
 ・殺生する人
 ・生命を慈しむ人
 ・生きとし生けるものへの慈しみ

2 思いやりの実践
 ・他の生命を害す人
 ・他の生命を害さない人
 ・生命を大切にする心

3 怒らない実践
 ・ささいなことで怒る人
 ・多くのことを言われても怒らない人
 ・穏やかさと忍耐

4 他者の幸せを喜ぶ実践
 ・嫉妬する人
 ・嫉妬しない人
 ・他者の成功を喜び、感謝する

5 施しの実践
 ・施さない人
 ・施す人
 ・与えることで豊かになる

6 謙虚さの実践
 ・傲慢な人
 ・傲慢ではない人
 ・謙虚さを忘れない

7 問うべきことを問う実践
 ・智慧のない人
 ・智慧のある人
 ・最初に問うべきこととは?


第3章 大切なのは、いまの行為


訳者あとがき
著者紹介


【著 者】

チャンディマ・ガンゴダウィラ長老

Ven. Dr. Chandima Gangodawila


テーラワーダ仏教長老。
2008年、スリランカの国立スリジャヤワルダナプラ大学で、学士号(優等学位)を取得。最優秀者賞を受賞。2015年、博士号を取得。

カナダに渡り、ブリティッシュコロンビア大学で4年間、仏教チャプレンを務め、さらにヴィクトリア大学で教鞭を執る。
現在、カナダのオタワ・テーラワーダ・ブッディストヴィハーラに在住。
カナダを中心に、イギリスのケンブリッジ大学、アメリカ、マレーシア、タイ、スリランカの大学や寺院で、講義や法話をおこなっている。
著書に『幸せへの鍵:慈経に学ぶ〈15の善習慣〉と〈10の善行為〉』『妄想の対処法:マドゥピンディカ・スッタ(蜜丸経)』『業(カルマ)は直線ではないー生き方を変えられるのは、いま:マハーカンマヴィバンガ・スッタ(大業分別経)』(Sukhi Hotu)、英語の著書や論文に “A Critical appraisal of the contribution of Germany and France to Sanskrit studies” “An Annotated Translation Into English Of Ratnamālāvadāna With A Critical Introduction” などがある。



生きとし生けるものが幸せでありますように
Sabbe sattā bhavantu sukhitattā


2019/10/13

『幸せへの鍵:慈経に学ぶ〈15の善習慣〉と〈10の善行為〉』


慈経ーブッダが教えた慈悲と善行為
チャンディマ・ガンゴダウィラ長老 著


謙虚さ、柔和さ、正直さ――幸せになるために、私たちが身につけるべき「15の善い習慣」とは?
身 口 意を清らかにする「10の善い行為」とは?


慈経には、謙虚さや柔和さ、正直さ、誠実さ、素直さなど、人として身につけるべき基本的な性質が説かれています。どれも、人が幸せに生きるために欠かせないことばかりです。

その清らかな性質を習慣にし、身につけることによって、「10の善行為(十善dasa-kusala)」の実践が、スムーズに進んでいきます。「善行為」をすればするほど、身・口・意の行為が清らかになり、悩み苦しみが消えていくのです。
人生は好転し、やがて究極の幸福である涅槃に達するでしょう。(本文より)


●・・●・●・●
目 次】

はじめに――善習慣と善行為

第1章 幸せをつくる「15の善い習慣」

■ 善い習慣が善い性格をつくる
  ・「善い習慣」と「悪い習慣」
■ 『慈経』は、ここから始まる
■ ブッダが説いた「15の善い習慣」
 1 能力がある
  ・身体のスキル
  ・のスキル―四梵住
    ①慈(mettā:メッター)
    ②悲(karuṇā:カルナー)
    ③喜(muditā:ムディター)
    ④捨(upekkhā:ウペッカー)
 2 道徳的にまっすぐ
 3 正直で誠実  
  ・インテグリティを高める
 4 アドバイスされやすい
  ・善い人に心をひらく
 5 心の柔和さ
  ・変化にたいする対応力
 6 謙虚さ
 7 足ることを知る
  ・「ないもの探し」をやめる
  ・充実感をベースにした生き方
 8 シンプルで養いやすい
  ・おおらかな心で
 9 忙しくしすぎない
  ・頭のなかもシンプルに
 10 簡素な生活
  ・執着せず、軽やかに
 11 感覚器官を落ち着かせる
 12 賢明さ
 13 高ぶらない
 14 在家に執着しない
 15 智慧ある人が批判するどんな小さな悪事もしない

第2章 身・口・意を清らかにする「10の善行為」

 ■ 善行為(kusala)とは何か?
 ■ 大切なのは日常生活での実践

▶「身体(身)」で実践する善行為

 1 生きものを殺さない
 2 与えられていないものを取らない
  ・時間の泥棒
 3 淫らな行為をしない
  ・「眼耳鼻舌身意」を使って何をするか?
  ・「楽」のリミットを知る
  ・食べる量と質と頻度

▶「言葉(口)」で実践する善行為

 4 嘘をつかない
  ・真実を伝えるタイミング
 5 人の仲を裂く言葉を言わない
  ・陰のない明るい言葉
 6 人を害する粗暴な言葉を使わない
 7 うわさ話・無駄話をしない

▶「心(意)」で実践する善行為

 8 過度な欲を抱かない
  ・羨望と嫉妬の違い
 9 過度な怒りを抱かない
  ・ネット上での怒り
 10 邪見(誤った見解)を持たない
 ■ 「10の善行為」のまとめ

第3章 2つの両輪で、心は見事に清らかになる

訳者あとがき——「Q&A」から




●・・●・●・●


【著者プロフィール】

チャンディマ・ガンゴダウィラ長老

Ven. Dr. Chandima Gangodawila

テーラワーダ仏教長老。
2008年、スリランカの国立スリジャヤワルダナプラ大学で、学士号(優等学位)を取得。人文社会科学部において、最優秀者賞を受賞。2015年、博士号を取得。
カナダに渡り、ブリティッシュコロンビア大学で4年間、仏教チャプレンを務め、さらにヴィクトリア大学で教鞭を執る。
現在、カナダのオタワ・テーラワーダ・ブッディストヴィハーラに在住。カナダを中心に、イギリスのケンブリッジ大学、アメリカ、マレーシア、タイ、スリランカの大学や寺院で、講義や法話をおこなっている。
著書に『妄想の対処法:マドゥピンディカ・スッタ(蜜丸経)』『業(カルマ)は直線ではないー生き方を変えられるのは、いま:マハーカンマヴィバンガ・スッタ(大業分別経)』(Sukhi Hotu)、英語の著書や論文に“A Critical appraisal of the contribution of Germany and France to Sanskrit studies”, “An Annotated Translation Into English Of Ratnamālāvadāna With A Critical Introduction”などがある。
「Authentic Buddhism」(YouTubeチャンネル)でも、ブッダの教えを伝え続けている。
https://www.youtube.com/AuthenticBuddhism


●・・●・●・●


2019/05/18

業(kamma)は直線ではない―生き方を変えられるのは、いま:『マハーカンマヴィバンガ・スッタ(大業分別経)』


すでにやってしまった行為を過去に戻って取り消すことは、私たちにはできません。

いくら悔やんだり、悩んだりしても、やった出来事をなかったことにすることはできません。

それなら、どうすればよいのでしょうか? 苦しみの報いを受けるしかないのでしょうか?

ブッダはその解決策を教えてくださっています。

それは、「いま最善を尽くして、善い行為をすること」です。

過去はもう戻ってきません。

将来はどうなるのかわかりません。

でも、いまの瞬間なら、その条件の中で、ある程度はどのようにでもできるのです。


この経典では、「業(行為と結果の現れ方)は直線ではない」ということが説かれています。


もし「業」が直線で、すでに定められているなら、過去におこなった悪行為にたいして、私たちはもうどうすることもできません。苦しみの報いを受けるしかないでしょう。


でも幸い、「業」は直線ではありません。あらゆるものごとは無常であり、変化しています。


チャンディマ長老は、だからこそ、ブッダが説いた「業の複雑性」を理解して、常に正見を保ち、いまを最善に生きるよう、強くすすめてくださっています。


結局のところ、私たちが今後どうなるのか、どう死ぬのか、どこに生まれ変わるのかということは、いまをどう生きるのかにかかっているのでしょう。


本書は、過去のことに左右されず、いま心を清らかにし、正見を持って、「道」を前向きに歩んでいくことについて説いた、チャンディマ・ガンゴダウィラ長老による経典解説講義の日本語訳です。

2019/04/13

妄想の対処法:認識プロセスを観察し、妄想ループを断ち切る―『マドゥピンディカ・スッタ(蜜丸経)』


事実をあるがままに観察し、
妄想のループから離れるための本

妄想と主観を断ち切るための観察法

『妄想の対処法:マドゥピンディカ・スッタ(蜜丸経)』



なぜ、思考は事実から離れて、勝手にイメージを作りあげていくのか?
妄想(ねつ造)や主観は、どのように起こるのか?


私たちは、いつでも気づかぬうちに思考にとらわれ、妄想の渦に巻き込まれています。
事実を客観的に見るではなく、起きた現象にたいして、頭の中でイメージを膨らませ、悩んだり、怒ったり、心配したり、不安になったりして、多くの時間を費やしています。
この問題を、どのように解決できるでしょうか? 

ブッダは「妄想の対処法」を説かれ、妄想(主観)が発生する原因と、そのプロセスを観察するよう教えられました。

仏教はいつでも原因をあるがままに観察するよう教えています。(*ここでの原因とは、眼耳鼻舌身意と色声香味触法です)
妄想に巻き込まれず、原因を観察すれば、妄想がどのように生起するのか、そのプロセスが見えてくるでしょう。

それによって、妄想を根っこから絶ち切ったり、あるいは弱めたり、悪い方向に妄想しないようにしたりなど、おのずと解決策が見えてくるのです。

本書は、中部経典 第18経『マドゥピンディカ・スッタ(密丸経)』をもとに、「妄想や主観が起こるプロセス」と「その対処法」についてわかりやすく説いた、スリランカ出身、カナダ在住の、G.チャンディマ長老による経典解説の講義に、加筆いただいたものの日本語訳です。
事実をあるがままに観て、主観や妄想のループから離れるための、一冊です。



〈目次〉


第1章 事実を見れば、妄想は静まる-『マドゥピンディカ・スッタ(密丸経)』


■「パパンチャ(papañca)」とは何か?
■ 思考を増殖させるものー渇愛・慢・見
■ 妄想のプロセス
■「主観の世界」から「客観の世界」へ
■ 妄想のループを破るには?
■ 原因にアプローチする
■ 妄想からの解放


第2章 Q&A― 原因に気づき、思考の舵をとる


■ コントロールか? 管理か?
■ 思考を色づけるもの
■『マドゥピンディカ・スッタ(蜜丸経)』の名前の由来
■ 縁起(paṭicca-samuppāda)の法則
■ 思考の舵をとる



〈著者プロフィール〉

チャンディマ・ガンゴダウィラ長老

Ven. Dr. Chandima Gangodawila

テーラワーダ仏教長老。
スリランカの国立スリジャヤワルダナプラ大学で、学士号(優等学位)を取得。人文社会科学部において、最優秀者賞を受賞。博士号を取得。
カナダに渡り、ブリティッシュコロンビア大学で4年間、仏教チャプレンを務め、さらにヴィクトリア大学で教鞭を執る。
現在、カナダのオタワ・テーラワーダ・ブッディストヴィハーラに在住。カナダを中心に、イギリスのケンブリッジ大学、アメリカ、マレーシア、タイ、スリランカの大学や寺院で、講義や法話をおこなっている。
著書に『幸せへの鍵:慈経に学ぶ〈15の善習慣〉と〈10の善行為〉』業(カルマ)は直線ではない――生き方を変えられるのは、いま:マハーカンマヴィバンガ・スッタ(大業分別経)』(Sukhi Hotu)、英語の主な著書・論文に“A Critical appraisal of the contribution of Germany and France to Sanskrit studies”, “An Annotated Translation Into English Of Ratnamālāvadāna With A Critical Introduction”などがある。
Paṭisota(YouTubeチャンネル)で、ブッダの教えを伝え続けている。



2019/04/08

【お知らせ】八正道勉強会


2019/02/24

【重版】『マインドフルネスの原点』


★当ブログにて少しずつ公開していきます。

**********

私たちの身体は不安定であり、絶えず変わり続けています。髪は変化し、爪は変化し、歯は変化し、皮膚は変化しています。あらゆるものが変化しています。心も、常に変化しています。したがって、心は……

アチャン・チャー法話集2巻 マインドフルネスの原点 出村佳子訳

2月にアチャン・チャー法話集 第二巻 『マインドフルネスの原点』が重版になり、第2刷になりました。読んでいただけて、よかったです。心より感謝申し上げます。ありがとうございます。