あなたは「自分の見方が正しい」と思いますか?
たとえば、あなたは「りんごが赤い」と思っています。でも、となりの人は「りんごは青い」と言っています。
あなたは自分の見方が正しいと思いますか? となりの人の見方が正しいと思いますか?
それとも、どちらも正しいと思いますか? 間違っていると思いますか?
自分の見方が他人の見方と違うとき、どう感じますか?
正しい見方――正見――とは、どのようなものでしょうか?
この本では、正しい見方「正見」について学んでいきます。「正見」を理解するために、主に以下のポイントをお話いたします。
まず、「正見とは何か」についてお話します。正見とは、ものごとの本質や真理をあるがままに見ることです。この正見によって、苦しみから解放されることができるのです。
それから、「正見をさまたげるもの――〈見〉と〈邪見〉」について解説します。正見をさまたげるものとはどのようなものでしょうか?
それには偏見や先入観、主観などがあります。これは自分の経験や知識、感情、欲、希望、願望、好き嫌いなどによって、ものごとを判断したり決めつけたりすることです。この「見」や「邪見」があることで、ものごとの本質や真理が見えなくなり、誤った見方をしてしまうのです。
最後に、「正見を育てる方法」についてお話いたします。
実際に実践することにより、偏見や先入観、主観(邪見)が少しずつ取り除かれ、ものごとの本質や真理を見抜けるようになっていくでしょう。
それでは、一緒に学んでいきましょう。
「はじめに:りんごは赤い?」より
正見〈正しい見方:Sammā Diṭṭhi〉
ありのままに見る智慧―八正道 ①
チャンディマ・ガンゴダウィラ長老【著】