「アーナンダよ、
ブッダはかつてこう説かれたのではなかったか。
生まれたもの、
存在するもの、
組み立てられたもの、
作られたものは、
必ず壊れる。
生じては滅する……
これが
諸々の条件に依って
形成されたものの
本質である。
生まれたものは
必ず滅する。
この構造が
完全に止むとき、
究極の安穏が
訪れるのである」
スリダンマーナンダ長老法話より
(Maha parinibbana sutta)
出村佳子訳
なぜ姿勢に気づく必要があるのか?
歩いているときは 歩いているし、 座っているときは 座っている。 横になっているときは 横になっている。 自分の姿勢くらい知っている。
座る・立つ・歩く・横になる姿勢に 気づくことで、 何か特別な智慧が得られるのか、と思うかもしれません。
姿勢に注意すると、身体の動きが絶えまなく変化していることがわかるでしょう。
動かずに、じっとしているように見えても、変化しているのです。
心臓は鼓動していますし、身体からは熱が出ています。肺は拡がったり縮んだりしています。このように、身体は無常なのです。
また、身体の外側の動きに関しては、一部コントロールすることができますが、内側の微細な動きに関してはコントロールすることができない、ということに気づくでしょう。
コントロールできないため、心はいらだちます。
このことを理解することによって、「身体の動きの本質は 苦であり、無我である」と見る智慧が育つのです。
バンテ・グナラタナ著