2024/10/27

正しい思考を育てるには?『正思惟:Sammā Sankappa〉欲・怒り・害意の手放し方―八正道 ②』

 

正しい思考を育てるには?


「正思惟」を育てるためにはどうすればよいのでしょうか?



それは、まず自分の思考に気づくことです。


自分の思考がどんな状態なのか? 


何を考えているのか? 


どんな思考や感情が生まれているのかを観察してみましょう。


もしその中で悪い思考や感情があれば、それを手放していきます。


欲や怒り、害意がこころに生まれたら、すぐにそれに気づくようにしてください。


気づくことによって、そこから離れられるのです。


「第2章 正しい思考「正思惟」を育てるには?」より

正思惟〈正しい思考:Sammā Saṅkappa〉
欲・怒り・害意の手放し方―八正道 ②

チャンディマ・ガンゴダウィラ長老【著】



2024/10/14

心でどこを探してみても…『自己愛から慈しみへ、我から無我へ:マッリカー経』より

 


コーサラ王とマッリカー妃のこの話を聞いたブッダは、その意味を知って、次のようにおっしゃいました。


心でどこを探してみても、

自分より愛しい者を見いだすことはできない。

それと同じく、他の者にとっても、自分のことが愛しい。

ゆえに、自己を愛する者は、他の者を害さぬように。


“Sabbā disā anuparigamma cetasā,

Nevajjhagā piyataramattanā kvaci;

Evaṃ piyo puthu attā paresaṃ,

Tasmā na hiṃse paramattakāmo” ti.


このブッダが説かれたことの意味について、これからご説明いたしましょう。



2024/10/12

「私」とは誰か?②

 

無数の私が争っている        


私たちが生きているということは、瞬間瞬間に「実感」が起きているということです。それは誰にでも明確に理解できると思います。それからさらに、その実感はどういうものか、どのようにしてその実感が現れるのか、実感は本当にずっと変わらないものなのか等と、いろいろ調べていくことができます。やがて頭の中で実感に「私」という主語を入れることが無くなったら、そこから真理の世界に入ることになるのです。

2024/10/06

本能的な3つの思考『正思惟〈正しい思考:Sammā Sankappa〉欲・怒り・害意の手放し方―八正道 ②』


3つの思考は本能的なもの



「欲」と「怒り」と「害意」は本能的なもので、自然に湧いてくる思考です。

私たちがこころを育てよう、清らかにしようとしないかぎり、抱いている思考なのです。


そこで、ブッダは「本能的な思考から離れて、その反対の思考を育ててください」と教えられました。


 反対の思考とは、

・欲から離れる思考 (nekkhamma saṅkappa)

・怒りのない思考 (abyāpāda saṅkappa)

・害を与えない思考 (avihiṃsā saṅkappa)


の3つです。

これらが「正しい思考(正思惟)」であり、安穏をもたらす思考なのです。



「第2章 欲は、怒りと害意の出発点」より

正思惟〈正しい思考:Sammā Saṅkappa〉
欲・怒り・害意の手放し方―八正道 ②

チャンディマ・ガンゴダウィラ長老【著】



2024/09/30

「私」とは誰か?①

 

〈私がいる〉という実感


「私とは誰か?」という一般的な質問があります。それは私のことを知りたい、という欲求から起こる問いのようです。一方、仏教では「私という実体はない」と言っています。「ない」と言われても、誰にだって「自分がいるんじゃないか」という実感があるので、仏教は変なことを教えていると訝しがられる結果になるのです。

2024/09/28

ネガティブな思考からの解放 『正思惟〈正しい思考〉欲・怒り・害意の手放し方―八正道② 』

 


人は知らず知らずのうちにネガティブな思考パターンに囚われてしまうものです


怒りや嫉妬、競争心、不安、恐怖、落ち込みといった思考や感情は、自分を苦しめるだけでなく、周りの人にも悪い影響を与えます。


そこで、「正しい思考(正思惟)」を実践していくことで、これらネガティブな思考に気づき、思考を管理できるようになるのです。


「正しい思考(正思惟)」は人生の羅針盤であり、生き方そのものです。


日々、思いやりや慈しみ、施し、理解、智慧に基づいた思考を選択し、実践することによって、思考が清らかになっていくでしょう。


その結果、より安穏で幸福な人生を送り、こころを悩ませている悩みや不満、苦しみは消えていくのです。

 

「おわりに:ネガティブな思考からの解放」より

正思惟〈正しい思考:Sammā Saṅkappa〉
欲・怒り・害意の手放し方―八正道 ②

チャンディマ・ガンゴダウィラ長老【著】



2024/09/22

【新刊】正思惟〈正しい思考:Sammā Sankappa〉―八正道②

 

🔸苦しみから解き放たれる道「八正道」の第2の道「正思惟(正しい思考)」

悩み苦しみを生みだす思考を手放し、こころに安らぎをもたらす「正しい思考」を育てるには?


『正思惟〈正しい思考:Samma Sankappa〉
 ~欲・怒り・害意の手放し方 ― 八正道 ②』

チャンディマ・ガンゴダウィラ長老〔著〕出村佳子〔訳〕

が刊行されました。

よろしければ、ぜひご一読ください。


◇ ◇ ◇ ◇ 


目 次


はじめに:大切なこと


第1章 正しく考える(正思惟)ってどういうこと?

 

 人生の羅針盤

 「正しい見方」から生まれる「正しい思考」

 汚れた思考をキレイにする

 毎日、何を考えていますか?

 オートモードで働く欲

 欲はどこで生じるのか?

 生きる上で必要な欲

 「欲」と「怒り」のプロセス


第2章 欲は、怒りと害意の出発点


 3つの思考は本能的なもの


第3章 苦しみから解放される3つの思考


 1.「欲から離れる」思考

  欲を手放す3つの実践


 2.「怒りのない」思考

  怒りを鎮める「慈・悲・喜・捨」の力


 3.「害を与えない」思考

  怒りの思考 と 害意の思考 の違い

  無害の思考を育てるには?


 3つの正思惟/邪思惟の関係

 「正思惟」を育てるには?


第4章 「言葉」は「思考」を映し出す鏡


おわりに:ネガティブな思考からの解放


著者紹介


◇ ◇ ◇ ◇ 


チャンディマ・ガンゴダウィラ長老
Ven. Dr. Chandima Gangodawila

タイ国立マハーチュラロンコーンラージャヴィドゥャ大学仏教研究所刊行『国際仏教ジャーナル誌』の編集委員。

米国ロニン・インスティテュートの研究員。初期仏教経典、アビダンマ、仏教倫理を研究。

カナダのビクトリア大学宗教社会研究センター(CSRS)の元研究員。

欧米、マレーシア、シンガポール、タイ、インド、スリランカの大学や寺院で、講演や法話をおこなう。日本でもオンライン法話会や瞑想会を開催。

◎ブログ:Paṭisota ▸ https://patisota.blogspot.com
◎法 話:Youtube Channel ▸ https://www.youtube.com/patisota
オンライン法話会&書籍 ▸ https://sukhi-hotu.blogspot.com/2019/07/ven-chandima.html


『正思惟〈正しい思考:Sammā Saṅkappa〉
欲・怒り・害意の手放し方 ― 八正道②』




生きとし生けるものが幸せでありますように

2024/07/31

Q&A(ダンマディスカッション)日常生活で安穏に過ごす4つの法

 



7月15日に行われたチャンディマ長老による法話会「日々の生活の中で安穏に過ごす4つの法」の終了後、多くの質問をいただきました。


とても興味深い質問でしたので、みなで共有し、理解を深められるよう、いただいた質問をもとに、8月3日(土)9時より(1時間~1時間半)、オンラインで「Q&A(ダンマディスカッション」を開催いたします。
(長老は来られない予定です)


私たちが身近に感じている仕事や財産の扱い方、毎日を安穏に過ごすための4つの法、その他、経典の内容に関することなど、理解を深めていこうと思います。

前回参加されていない方も、ご参加いただけます。


お申込みは下記URLからお願いいたします。

https://forms.gle/tqK2RoKWCVeVeH8r5


Zoomへのアクセスに必要なURL等は、開始時間前までに、ご記入いただいたメールアドレスにお送りいたします。


どうぞお気軽にご参加ください。


生きとし生けるものが幸せでありますように


2024/07/21

『慈悲の瞑想―慈しみの心』新装版が刊行されました!


『慈悲の瞑想ー慈しみの心』新装版
バンテ・ヘーネポラ・グナラタナ著、出村佳子訳(春秋社)

が刊行されました。


自分への思いやりから広がる、他者・社会へのやさしい気持ち。

おだやかに明るく生きるための、心を育てる瞑想ガイド。

多くの方に慈しみが届きますように…… 


書店等で見かけましたら、ぜひお手にとってご覧いただければ幸いです。

*本文は旧版と同じになります。