自分より愛しい者を見いだすことはできない
Nevajjhagā piyataramattanā kvaci
「だれでも自分のことを愛しく、大切に思っていますよ」と言うと、否定する方がいらっしゃいます。
「いえいえ、自分のことはどうでもいい。自分より子どものほうが大切ですよ」とか、「自分より妻/夫を大切にしています」、「いちばん愛しているのは彼/彼女ですよ」などと。
このように、自分よりも家族や親しい人、他の人を愛している、と言われる方がけっこういます。
でも、ほんとうにそうでしょうか?
困難な状況にさらされたとき、多くの方はまず自分を優先するのではないでしょうか?
悩みたくない、苦しみたくない、瞑想したい、といった気持ちも、自分を大切にし、心を向上させたいからではないでしょうか?
偽らず、ごまかさずに心を深く見つめてみると、ブッダがおっしゃった「自分より愛しい者はいない」ということは真実だ、ということが発見できるでしょう。
『自己愛から慈しみへ、我から無我へ:マッリカー経』
チャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)より