ほんものの恐怖とは?②-2 の続き
存在欲
次のポイントは「存在欲」です。
生きるとは、眼耳鼻舌身意で色声香味触法の情報を認識することです。生きるとはそういうシンプルなカラクリなのです。決して大それたことではありません。
眼で感じ、耳で感じ、鼻で感じ、舌で感じ、身体で感じ、意で感じます。この感じることをひっくるめて、私たちは「命」と言っているのです。命とは、ただ感じるだけのことなのです。
この感じるという機能は、ずーっと変化しています。自分の好きなように操縦することはできないのです。
たとえばこのテーブルの上にある花を見て、「花だ」という感覚が起こるかもしれません。では、同じものを「犬だ」と感じてみてください。できますか?
できませんね。
では、「シロクマだ」と感じてみてください。
それもできないでしょう。
決して、自分の好きなように感じることはできません。
感覚は自分の希望とは関係なく、勝手に起こるのです。
(続きます)
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スマナサーラ長老 法話「ほんものの恐怖とは?」
文:出村佳子
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生きとし生けるものが幸せでありますように