変化はわかる
しかし、「死」を知る方法があります。
それは、観察可能な変化を調べることです。
どんな現象を観ても、この現象は絶えず変化する過程で成り立っている流れである、と理解できます。
要するに、止まっている、停止している現象は、何ひとつもないのです。
その事実を、自分の身体に対しても当てはめてみるのです。
身体を観ると、変化していることがわかります。
過去のデータと比較すれば、変わっていることがわかるのです。
自分の身体も心も、瞬間瞬間、変化して流れる過程で成り立っていることを発見します。
新たな現象があらわれたとは、前の現象が消えた、という意味です。
いま、私がいるのは、過去の私が死んだからです。
それで、生きるということは「生」という輪と「死」という輪で繋がっている鎖なのだと理解します。
なぜこの理解が人にとって難しいのでしょうか?
(続きます)
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スマナサーラ長老 法話「ほんものの恐怖とは?」
文:出村佳子
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生きとし生けるものが幸せでありますように