2022/02/12

生命は感情で生きている⑤-2

感情が人生を指導「ほんものの恐怖とは?⑤-1の続き


皆様は結婚するとき、相手を理性で決めたでしょうか?

私たちは生まれたときからずっと、幻覚で、妄想で、感情で生きています。

感情が屁理屈なら、人生はすべて屁理屈になります。何をやっても、ろくな結果がないのです。ですから事実を見ると、怯えて震えます。

結婚する前は「この人はかわいい、結婚したい」と思いますが、結婚すると相手の本音が出て、全然違う面が見えてきます。

だから、感情だけで結婚すると長続きしません。
結婚というのは人間と人間の関係です。人間と人間が仲良くなったら、お互いに助け合わなければなりません。


【根本仏教講義】ほんものの恐怖とは?スマナサーラ長老

相手が病気になったら助けてあげる。

今日は私がご飯をつくりますから寝ていてくださいと。それが長持ちする夫婦関係なのです。

奥さんが家族のために料理や掃除、洗濯、育児、あれこれやっているところに、怒鳴って手をあげると、ハチャメチャになるでしょう。
奥さんは家族の生活を維持するためにすごく頑張っています。
結婚したら、女性の見たくないところが見えるものです。身体の形は変わっていきます。そこは慈しみ、あわれむべきところです。
あなたは相手を慈しめますか? 心配することはできますか?
相手は正真正銘の独立した存在です。
そこを理解して、お互いに助け合って一緒に生活するのです。
それが結婚ということです。
ここまで具体的に語ったのは、生命は感情の指導で生きている、ということを説明するためです。
感情は理性の反対なので、いつトラブルを起こすかわからない。
感情は、現実を無視して独立して流れます。
外からの情報を、理性的な判断に使うのではなく、自分がすでに持っている感情の栄養分にするのです。

人は失敗もします。

仏教は理性の教えですから、感情で生きることは認めません。


(続きます)

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【目 次】ほんものの恐怖とは?

スマナサーラ長老 法話「ほんものの恐怖とは?」
文:出村佳子

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