2022/02/08

感情が人生を指導⑤-1

他と自分の死「ほんものの恐怖とは?④-の続き


次のポイントです。これは、なぜ恐怖があるのかという説明です。

私たちは誰でも感情で生きています。

客観性、理性、具体性、現実、真理、法則などを参考にして生きることはしていません。

子供を見てください。感情ばかりです。でも、それは大人も同じです。

感情や主観が、私たちの人生を指導しています。

嘘や幻覚、幻想を参考にして、私たちは生きるために必要な判断をしているのです。

人間も神々も生命は皆、無明に覆われ、感情で判断しています。


例えば、賭けごとで考えてみてください。

2人がいて、それぞれ100万円ずつ賭けるとしましょう。


【根本仏教講義】ほんものの恐怖とは?スマナサーラ長老


コインを投げます。あなたが「表」と言ったところで、コインの「表」が出たら、あなたの勝ち。「裏」が出たら、あなたの負けです。

勝ったら楽しいでしょう?

ぼろ儲けです。

でも、どちらに向くかはわかりません。

理性のある人は、賭けごとには手を出しません。

どんなに誘われても、「このお金は私が苦労して仕事をして貯めたお金だから、ばかみたいに賭けごとなんかしません。このお金で家族と美味しいご飯を食べたり、旅行をしたりして楽しみます。出て行ってください」ときっぱり断るのです。

相手は、「あなたが勝ったら200万円も貰えますよ」と言ったとします。

それでも、「いりません、賭けごとはしません」と断ります。

それが理性的な態度です。

でも、理性のない人は賭けごとの方に行きます。

それでかなり損をするはめになるのです。

なぜ麻薬や酒に依存するのでしょうか?

理性ではなく、感情で判断しているからです。

(続きます)


・・・・・・・・・・

【目 次】ほんものの恐怖とは?

スマナサーラ長老 法話「ほんものの恐怖とは?」
文:出村佳子

・・・・・・・・・・

生きとし生けるものが幸せでありますように