文化の足かせとは私がつくった言葉です。
神話や信仰、逸話、迷信などは、人々に妄想することを教えています。
文化とは、そういうものです。
どの国にも神話があり、怪談話もいくらでもあります。
どの民族にも物語がありますが、すべて偽りです。
神話は偽りだと知らない人はいないのに、文化に対する人々の愛着は衰えることがありません。
神話が人気なのは、事実を述べているのではなく、人々の感情に訴えているからです。
たとえば、シンデレラの物語を分析してみましょう。
物語の前半は、不幸な目に遭ったシンデレラの落ち込みや怒り、惨めな気持ちなどが語られています。
その後、「障害を打ち破って自分の希望どおりに幸せになりたい」という欲と、「永遠に幸せに生きていきたい」という存在欲の感情が、物語の後半に魂を吹き込みます。
物語を読んだり聞いたりしている人は感情を揺らぶられ、その話に乗ります。
といっても、意図的に作られたこのような物語は人々の間で生き続けますが、それほど人生に影響を与えません。
しかし、神話物語に宗教的な意味合いが入ると、人は文化や神話などを人生のガイドラインにするのです。結局は、煩悩の指導で生きるということに変わりありません。
個人には、文化や迷信などを変えることは決してできません。ですから人生に文化の影響が無いようにすることはありえない話なのです。
文化は一概に悪いものではなく、「人々を仲良くしてまとめる」という役割も果たしています。
とはいえ、煩悩を打ち破って精神の自由を目指す人にとっては、文化や信仰、迷信、神話物語などは足かせになるのです。
(続きます)
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【目 次】ほんものの恐怖とは?
スマナサーラ長老 法話「ほんものの恐怖とは?」
文:出村佳子
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【目 次】ほんものの恐怖とは?
スマナサーラ長老 法話「ほんものの恐怖とは?」
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生きとし生けるものが幸せでありますように