2022/03/23

脅して人を管理しようとする文化⑤-5

文化の足かせ「ほんものの恐怖とは?⑤-4」の続き


文化の中には、恐怖感で人々を管理するものもあります。

たとえば、「この山には神が住んでいるから入ってはいけない」とか、「この森には霊が住んでいるから気をつけなさい」などといろいろ偽りを言います。

日本だったら「鬼がいる」と言うかもしれません。

そういう恐怖感を抱かせて、人々を管理しているのです。


【根本仏教講義】ほんものの恐怖とは?スマナサーラ長老



皆さまは気づいていませんが、日本の文化も恐怖感を与えています。

日本のしきたりや慣習が、日本の皆さんに恐怖感を与えているのです。

結婚式でも、披露宴でも、それぞれしきたりや慣習があります。

妊娠したときにも、子供が生まれたときにも、しきたりや慣習があります。

そうやって文化を守りながらも、裏には恐怖感があるのです。

「やらなかったらやばい」と。

ですから、犯人は誰かというと、文化なのです。

たとえば、ある神社に行ってお祈りをしたら子宝に恵まれる、という文化が日本にあります。

それで、「その神社でお祈りをしなければ子宝に恵まれないのではないか」と恐怖を感じるのです。

理性的に考えればヘンな話です。

近くに行く予定があるなら、ついでに寄ってもいいかもしれませんが、わざわざお参りのために神社に行く必要はないでしょう。

私たちは、迷信や文化に引っ張られないよう、恐怖を育てないように気をつけなくてはなりません。


このように、私たちは毎日、恐怖感を持って生きています。

恐怖感を持ちながら、「恐怖感から解放されて幸せに生きていきたい」とも思っています。

ここに矛盾があることが理解できるでしょう。

(続きます)


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【目 次】ほんものの恐怖とは?

スマナサーラ長老 法話「ほんものの恐怖とは?」
文:出村佳子

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生きとし生けるものが幸せでありますように