脅して人を管理しようとする文化「ほんものの恐怖とは?⑤-5」の続き
次のポイントです。これは、なぜ恐怖があるのかという説明です。
これまでは私の分析をしてきましたが、これからは経典の内容に入っていきます。
経典は中部4の「恐怖経」(MN.4Bhayabheravasuttaṃ)です。
これは長い経典ですから、大事なところだけ紹介します。
ある有名なバラモン人がお釈迦様にこうおっしゃいました。
「あなたは一人で孤独に森の中で生活していて大変でしょう。あなたの弟子たちも、恐ろしい森や墓場などで生活していて大変でしょう。皆、ブッダに命をかけているのではないでしょうか」
お釈迦様はこうおっしゃいました。
「そのとおりです。出家者は厳しい生活をしています。人が行かない遺体捨て場や空き家など怖いところで修行しますから、彼らは私に頼っています。私は彼らをしっかり育て、完全たる安穏へと導きます」
お釈迦様の時代の出家者の生活は、今の出家者とは違い、それほど楽ではなかったのです。
お釈迦様は、「出家が森の中で孤独に修行することはとても怖いことであり、頭が狂うほどの恐怖感が生じることがある」と、まず認めました。
お釈迦様は、恐怖感は不善法であると説かれます。
修行者は恐怖感を乗り越えなくてはなりません。心から取り除かなくてはいけないのです。
人はなぜ怖くなるのでしょうか?
特にこの場合は皆様のことではなく、出家修行者のことです。
出家修行者がものすごく怖くなってビビるのです。
それはどういうことかと説明します。
お釈迦様は心の病について研究しました。
恐怖感とは何かと研究したのです。
それをバラモン人にずっと説明します。
これは長い経典ですので一部だけ紹介します。
(続きます)