akusalaṃ bhayabheravaṃ avhāyanti.
(異常欲で病んでいる)修行者は、不善の恐怖感を呼び寄せている
強い欲(異常欲)があると、現実的には怖い出来事が起きていないにも関わらず、自分自身の妄想で恐怖を呼び寄せてしまいます。
たとえば、森の中で暗くなってから修行しているとしましょう。枯れた枝が音を立てて落ちたとします。
暗闇だから、何も見えません。
そこでその人の妄想に合わせて、「鬼が現れたかもしれない」「幽霊が現れたかもしれない」「猛獣が襲ってくるかもしれない」などと妄想して怖くなるのです。
恐怖感で気を失い、倒れる可能性もあります。
このように妄想するのは、自分の身体にたいして強い欲があるからです。
強い欲は不善ですから、この場合「不善の恐怖感」と言われています。
出家していない皆さまにしても、妄想を重視する強い欲がある場合には、恐怖感に襲われる危険があるのです。
(続きます)
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【目 次】ほんものの恐怖とは?
スマナサーラ長老 法話「ほんものの恐怖とは?」
文:出村佳子
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生きとし生けるものが幸せでありますように