2022/10/29

なぜ人は話すことが好きなのか?①-2

 

聞く自由と言論の自由ブッダの聞き上手入門 ①-1からの続き


ブッダの聞き上手入門:スマナサーラ長老法話


誰かが話さないと何を聴く


まず、話すという現象について考えてみましょう。

「話し方」についてではなく、「話す」ということについてです。


なぜ、人は話すことが好きなのでしょうか?


それは、心の中で感情が渦巻きを立てているからです。

感情は耐えられないストレスです。

それで感情に言葉をのせて、とりとめもなく喋ることが始まるのです。

ここがポイントです。

とりとめもなく喋る人はみな、ストレスが溜まっています。

イライラして耐えられないのです。


たとえば一人ぼっちで家にいるとしましょう。

耐えられなくて、誰かにメールを送ります。

送ったらすぐに返事を期待します。


これでコミュニケーションをしているつもりですが、コミュニケーションはできていません。

余計にストレスが溜まるのです。


特に日本ではメールとかSNSでメッセージを送ってすぐに返事が来ないと、えらい失礼だと思われるんです。それってストレスでしょう。


また、電車に乗っているときでも、エレベーターに乗っているときでも、道路を歩いているときでも、メールやメッセージを送ったりしています。

すごくストレスが溜まっていて、ストレスを発散しているのです。

ですから喋っても喋っても終わりがありません。

どこまでやればいいのでしょうか?


そこで、相手が真面目に聞いてくれないと腹が立ちます。腹が立って、人間関係も壊れてしまいます。最悪でしょう。

たとえば私が何か食べ物にあたって食べられなくなったとします。相手にたいして「私は何も食べられないから、あなたも何も食べないでください」と言うような話です。

自分のストレスを発散しているだけなのに、相手が真面目に聞いてくれないと、すごく不機嫌になるのです。

友だち関係も切るほどです。

でも俗世間では皆様すごくありがたがってメッセージを送ることとかに夢中になっているのです。

(続きます)


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スマナサーラ長老 法話「ブッダの「聞き上手」入門

編集:出村佳子

根本仏教講義【目 次】

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生きとし生けるものが幸せでありますように