自分が話すときにはチェックする「ブッダの聞き上手入門 ①-3」からの続き
無駄話の原因
無駄話の原因は、感情です。
何かを喋りたくて仕方がないでしょう?
感情の柱を3つに分けると、貪瞋痴です。
特に痴(無知)に支配されています。
無知に支配された思考と妄想に、言葉をのせて喋っているのです。
怒りの感情が起こると、それに言葉をのせて喋ります。
欲の感情が起こると、それに言葉をのせて喋ります。
無知が起こると、妄想して、妄想に言葉をのせて喋ります。
言葉にのせて喋るといっても、妄想の場合はすべて喋っていません。妄想の結論だけ喋っているのです。
その場合は、無知ということを理解してください。
相手の感情が自分の心に移る
無駄話をまじめに聞くと、かならず自分の心も悪感情で染まります。
気づいていないんです。他人の無駄話をただ聞くだけで、自分も不善行為をして、自分の心を汚すことになるのです。ここをよく考えてください。大事なポイントです。自分の心を汚す必要があるか、と考えるべきです。
他人の無駄話をまじめに聞いていると、相手の感情が自分の心に移って心が汚れます。
自分の心を汚すことが罪なんです。他人をぶん殴ることではないのです。
汚れた心で他人をぶん殴ったら罪ですが、それは心が汚れたから罪になるのです。
スポーツで相手を殴ったりもするでしょう。それは別なんです。ボクシングでは相手が倒れるまで殴ります。重症になることもあります。でも、それは犯罪ではありません。
ボクシングの場合は、相手のこともよく知っているし、別に憎んでいるわけでもない。ボクサーはただ自分の持っている技をどうやって使うのか、ということしか考えていないのです。そこで自分も殴られたくありませんから、早く相手をノックアウトしたいんです。
そこに憎しみはありません。ただ「勝ちたい」という欲だけなのです。
でも、心が汚れたら罪になります。善悪というのは心の状況で判断するのです。
(続きます)
・・・・・・・・・・
スマナサーラ長老 法話「ブッダの「聞き上手」入門」
編集:出村佳子
根本仏教講義【目 次】
・・・・・・・・・・
生きとし生けるものが幸せでありますように