2023/04/01

法話を上手に聴く順番 ⑤-3〔最終回〕

   

法話を上手に聴く順番「ブッダの聞き上手入門 ⑤-2からの続き

① 調べる
② 付き合う
③ 耳を傾ける
④ 法を聞く
⑤ 聞いた法を憶えておく
⑥ 憶えた法の意味を調べて、観察してみる
⑦ 意味を観察すると、法について納得する
⑧ 納得すると、意欲が起こる 
⑨ 意欲が起きたら、精進する
⑩ やってみて、精進して、比較してみる

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⑪ tulayitvā padahati,

データをチェックして、さらに精進する


このデータはどうですかと心をチェックして、「貪瞋痴がまだある」とわかったら、さらに精進します。

れでまたデータをとります。「欲と怒りはある程度減った気がする。でも消えていない。まだまだだ。では精進します」と、そんな感じで一人で進んでみるのです。




⑫ pahitatto samāno kāyena ceva paramasaccaṃ sacchikaroti,

このように精進すると、自分自身で、自分の経験で、最高の真理を発見する


お釈迦様の教えを丸呑みしたわけではありません。自分自身で真理を発見するのです。

修行者は心の汚れをチェックして進みますから、やがてチェックする汚れが見当たらなくなります。

それでも、「潜在煩悩があるかもしれない」と考えて精進します。

そうすると、お釈迦様が教える真理を自分自身で発見するのです。解脱に達するのです。



⑬ paññāya ca naṃ ativijjha passati.

鋭い智慧が現れる


智慧で真理を貫いて理解します。 

解脱に達する瞬間、主体と客体の差が消えます。

「自分」という気持ちも完全に消えます。

俗世間の対象を認識することも消えます。

一切の概念を超えた涅槃を経験する瞬間なのです。


その瞬間が終わってから、「自分は解脱に達した」という経験が生じます。

れは概念の範囲です。「鋭い智慧で理解する」とはこの意味なのです。

まず解脱に達する。それから解脱に達したと知る。

一番目は解脱です。二番目は鋭い智慧であって解脱ではありません。



聞き上手というタイトルですが、今回説明したのはブッダの解脱プログラムの話です。

俗世間のさまざまな勉強の場合も、このプログラムで進んだほうがよいでしょう。


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調べる
② 付き合う
耳を傾ける
④ 法を聞く
⑤ 聞いた法を憶えておく
⑥ 憶えた法の意味を調べて、観察してみる
⑦ 意味を観察すると、法について納得する
⑧ 納得すると、意欲が起こる 
⑨ 意欲が起きたら、精進する
⑩ やってみて、精進して、比較してみる
⑪ データをチェックして、さらに精進する
⑫ このように精進すると、自分自身で、自分の経験で、最高の真理を発見する
⑬ 鋭い智慧が現れる

中部経典70(Kītāgiri sutta)

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(了)


生きとし生けるものが幸せでありますように


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スマナサーラ長老 法話「ブッダの「聞き上手」入門

文:出村佳子

根本仏教講義〔目 次

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