2023/12/02

「老い・病気・死」の苦しみから逃れるには?『身体の苦しみの手放しかた:輪廻からの解放へ』より

 

身体があるかぎり、老いや病は私たちにいつでもつきまとい、苦しみをもたらします。

どんな人も、1日1日歳をとり、「老い」ていきます。

また、かぜをひいたり、熱が出たり、あちこち痛んだりなど「病気」になることもあります。ケガをすることもあります。

最終的に、身体は壊れます。心臓が止まり、呼吸が止まり、機能がすべて停止します。これが、「死」というものです。


老いて、病気になり、死を避けることは、だれにもできません。これら「老・病・死」はどこから生じるのでしょうか?



身体です。すべて身体から生じるのです。


では、この身体とどのようにつきあっていけばよいのでしょうか? 身体がもたらす苦しみから逃れることはできるのでしょうか?


ご紹介する経典は『ナンディウィサーラ経(Nandivisāla Sutta)』です。身体の苦しみを解き放つ方法について説かれた経典です。

 

みなさんのなかには、「自分の身体からどうやって逃れることができるのか、できるはずがない」と思っている方もいらっしゃるでしょう。

たとえば思考であれば、考え方をかえることによって、ある種の思考から逃れたり、離れたりすることはできるかもしれません。


でも、身体からどうやって逃れることができるでしょうか? 身体から離れることもできませんし、別の身体に取りかえることもできません。

ちょっとやっかいですね。
死ぬまで、生まれたときに構成された身体とつきあっていかなければならないのです。


しかし、ブッダは「身体の苦しみから逃れることができる」とおっしゃいました。


その方法は、結局のところ、心(精神)に関連しており、完全に苦しみを滅するためには、涅槃(Nibbāna)に達するしかありませんが、ブッダはこの『ナンディウィサーラ経』において「身体(輪廻における個々の “生” で構成される身体)の苦しみから脱出する方法」を説かれたのです。


『身体の苦しみの手放しかた:ナンディウィサーラ経』
「はじめに:〈老い・病気・死〉をもたらすもの」より
チャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)

チャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)

『身体の苦しみの手放しかた:ナンディウィサーラ経』 チャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)