男性と女性の特徴「仏教から見る女性③」から続きます。
結婚した女性へのアドバイス
ブッダは、家庭の平和や調和は主に女性の肩にかかっていることをよく理解されていました。
そして結婚生活における「妻の役割」について女性たちにアドバイスされたのです。
ブッダが与えたアドバイスは現実的で実践しやすいものであり、妻が日々の暮らしのなかで模範にすべきことと、すべきでないことをいくつか示されました。
以下はさまざまな機会でブッダが妻たちにアドバイスされたことです。
・夫に対して悪い考えを抱かないように
・夫に苦痛や不快感を与えないこと、また傲慢ではないように
・浪費をやめ、収入の範囲内で経済的に生活すること
・夫の財産と苦労して得た収入を大切に守り、しっかり管理すること
・心と行動において常に道徳的で清らかであること
・忠実であり、けっして不倫の考えを抱いてはならない
・言葉使いに気をつけ、丁重な行動をとること
・親切で、勤勉で、よく仕事をすること
・母が息子を愛して守るのと同じように、夫を思いやり、あわれみ深くあること
・謙虚で、尊敬の念を持つこと
・冷静に、穏やかに、ものごとをよく理解すること
必要なときは妻としてだけでなく、友人やアドバイザーとしても夫の役に立つこと
夫の義務
ブッダの時代、他の宗教家たちも「夫に対する妻の義務」についていろいろ話されていました。
その内容は主に、息子を出産することや夫に誠実に尽くすこと、夫婦間に喜びと幸せをもたらすことでした。
この考え方は儒教にも見られます。しかし儒教では、「夫に対する妻の義務」が明確に定められているのに対し、「妻に対する夫の義務」はあまり強調されていません。
ブッダの教えには、このような偏見がありません。六方礼経(Sigalovada Sutta)には「妻に対する夫の義務」が明確に述べられています。
・誠実で、妻を思いやること
・妻を褒めること
・軽蔑しないこと
・不倫しないこと
・妻に家のこと(権利)を任せること
・装飾品を与えること
などが、夫がすべき義務であると。
(続きます)
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出村佳子(訳)
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生きとし生けるものが幸せでありますように