2022/12/10

話を聞くときのチェック項目Ⅲ ②-3

 

話を聞くときのチェック項目Ⅱ「ブッダの聞き上手入門 ②-2」からの続き


4 役に立ちますか?


誰かが3分でカレーを作る方法を教えるとしましょう。自分にカレーを作る気持ちがあるならば、その話は役に立ちます。

役に立つ場合、真面目に聴いて、その話を理解してください。役に立たないならば、義理で聞いて話をやめてください。

役に立つ程度は、人によってさまざまです。「カレーを作る方法」というのは狭いジャンルの話ですが、それでもカレーを作りたい人にとっては役に立ちますし、作らない人にとっては聞き流してもよいでしょう。




5 自分の知識に新たな何かを加えますか?


自分が知っていることに何か新しい情報が入ったのか、これをチェックしなくてはいけません。


例えば、親の話や先生の話は役に立ちます。聴く必要があります。でも私たちは嫌がるんです。親の話と先生の話だけは聴きたくない。しかし、聴いて憶える必要があるのです。


面白い遊び方を教える仲間はいますが、堕落するか成長するか、自分で判断しなければなりません。例えば自分が知らない遊びがあって、友だちから「これ面白いからやりましょう」と誘われたとき、それにのるかのらないかは自分で判断しなくてはならないのです。


「役に立つ知識」の上級レベルは、どうすれば心が落ち着くのかなど感情を制御する話、理性が現れる話、心が活性化する話、悪をなくすための話などです。これらは当然役に立ちます。そういう話を聴いてください。


世の中にはいっぱい話がありますが、私たちは選んで聴かなければならないのです。



6 この話を聞くと自分の心が不安になり、困ることになりますか? 


心が不安になってこんがらがるか、ならないかをチェックします。

不安になる話が自分の心にこびりつかないよう、気をつけなくてはいけないのです。



7 雰囲気作りのための話ですか?


雰囲気がよくないからその場を盛り上げるために何か喋らなければと思い、あれこれ喋る話もあります。それをチェックしてください。



8 社交辞令的に交わさなくてはいけない言葉ですか?


例えば挨拶があります。「本日はお越しいただきありがとうございます」とか挨拶するでしょう。そうすると挨拶で凝り固まって本題になかなか入れないんです。

それでも挨拶が必要な場合もあります。でも無駄話には変わりがないのです。


このチェックシートを使って、人の話を聞いてほしいのです。                 

(続きます)


生きとし生けるものが幸せでありますように


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スマナサーラ長老 法話「ブッダの「聞き上手」入門

編集:出村佳子

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