身体の「4つの車輪」(catucakkaṃ)
まず、ナンディウィサーラ神が語った「身体にある4つの車輪」とは何でしょうか?
それは、私たちが身体でおこなうあらゆる姿勢のことです。
姿勢には4つあります。
「歩く・立つ・座る・横になること(行・住・坐・臥)」の4つです。
『四念処経(Satipaṭṭhāna Sutta:サティパッターナ・スッタ)』をご存じでしょうか?
これは「4つの気づき」について説かれた経典です。4つとは「身・受・心・法」のことで、それぞれ「身体・感受・心・法」を意味します。
この1番目の「身体への気づき」のことをパーリ語で「kāyānupassanā(カーヤーヌパッサナー)」といい、そのなかのひとつに「4つの姿勢への気づき」が含まれているのです。
『四念処経』においてブッダは、
歩いているときには「歩いている」と気づき、
立っているときには「立っている」と気づき、
座っているときには「座っている」と気づき、
横になっているときには「横になっている」と気づくように
と説かれています。
「歩く・立つ・座る・横になる」姿勢、この4つが身体における基本的な姿勢です。
身体は、これら4つの姿勢を実行します。
そのなかで、私たちは手足や身体を動かしたり、曲げたり、伸ばしたり、姿勢をかえたりなど、さまざまな動きをしています。
ナンディウィサーラ神は、身体でおこなう4つの姿勢のことを、「4つの車輪」と呼んでいるのです。
『身体の苦しみの手放しかた:ナンディウィサーラ経』より
チャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)