老いるもの 老いないもの
Rūpaṃ jīrati maccānaṃ,
nāmagottaṃ na jīrati;
肉体(色)は老い、
名姓は老いません。
何が老いて、何が老いないのでしょうか?
私たちはみな肉体を持っています。この肉体は、生まれたときから徐々に老いて、衰え、やがて滅びます。
生命はみな死すべきもの(mortal)であり、例外なく死ぬのです。これが生命の本質です。
一方、生きているあいだ、道徳的で、善いおこないをし、社会や世の中に多大な貢献をしているなら、その人の名と姓は死にません。老いることも、滅びることもありません。
たとえばブッダがよい例ですね。肉体は2550年以上も前に滅びましたが、名前とブッダが説かれた真理の教えは、現代になっても生き生きと生き続けているのです。
このように、ブッダは「老いるもの」とは肉体であり、「老いないもの」とは名と姓である、と説かれました。
涅槃への道を妨げるもの『老いない経(ナジーラティ・スッタ)』
「第1章 一つ一つ、ハードルをのりこえて」より
チャンディマ・ガンゴダウィラ長老【著】
生きとし生けるものが幸せでありますように