2024/05/27

美意識過剰な女性へのアドバイス「仏教から見る女性⑤」

   

結婚した女性へのアドバイス「仏教から見る女性➃」から続きます。


美意識過剰な女性へのアドバイス


自惚れが強く、自分の美貌を鼻にかける女性に対して、ブッダは「無常の摂理」を教えられました。



ビンビサーラ王のお妃であるケーマー(Khema)は、絶世の美女として知られていました。


ケーマーは、初めのうち、ブッダに会うのを拒んでいました。

というのも、「ブッダは肉体の不浄を説き、外見の美しさを否定している」ということを聞いていたからです


ある日、ケーマーは静かな景色を楽しもうと僧院を訪ねました。

ちょうどそのとき、本堂ではブッダが法を説かれていたのです。

ケーマーは次第にブッダが説法するほうへと惹かれていきました。


それを察知したブッダは、神通力でケーマーの思考を読みとり、彼女の目の前に、ケーマーとは比較にならないほどの美しい女性の幻影を現しました。


ケーマーがその女性の美しさに見とれていると、ブッダはその女性を、中年の女性へと変化させ、さらに歯が抜け落ち、白髪になり、しわくちゃの老婆になるまで変化させたのです。


この変化を目の当たりにしたケーマーは、自分が外見の美しさに自惚れていたことに気づき、「生のはかなさ」を理解しました。そして、「肉体はこのように壊れていくものなのか。それなら私の肉体も同じだ」と悟ったのです。


ケーマーは阿羅漢に達し、ビンビサーラ王の許可を得て、比丘尼サンガに入りました。

(続きます)


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K. スリダンマーナンダ長老(著)

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出村佳子(訳)

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生きとし生けるものが幸せでありますように