2.触 食(phassāhāra)
生命を維持するものは、物質的な食べ物だけではありません。
目に見える食べ物だけでなく、心の食べ物も摂り入れているのです。
まず、「触(phassa:パッサ)」です。「触れる」ことですね。
私たちは瞬間瞬間、何かに触れて生きています。
目に、色や形が触れてモノを見ています。
耳に、音が触れて何かを聞いています。
鼻に、香りが触れてにおいをかぎ、
舌に、食べ物や飲み物が触れて味を味わっています。
身体の皮膚に、寒さや暑さ、硬さ、やわらかさなどが触れて感触を感じています。
意には、思考や妄想などさまざまな現象が常に触れています。
こうやって、いつでも何かしら対象が触れているのです。
このように、「眼・耳・鼻・舌・身・意」に「色・声・香・味・触・法」が「触れる」ことによって、エネルギーが生まれ、命が維持されています。
生命は生まれてから死ぬまで、すべての時間にわたって、この「触食」を摂りつづけているのです。
この「触れる」ことから、苦や楽など「感覚」が生じます。
さらには、「渇愛」が生じます。
これによって、「生きる」という働きが成り立っているのです。
命を支える4つの「食」とは?『こころの栄養〈五蓋と七覚支〉』より
チャンディマ・ガンゴダウィラ長老【著】
Sabbe Sattā Bhavantu Sukhitattā

