2020/04/05

新型コロナウイルスへの不安と恐れを乗り越える8つのポイント

☆新刊です。

『新型コロナウイルスへの不安と恐れを乗り越える8つのポイントチャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)
です。よろしければ、ぜひご一読ください。
Google Books

Patipada(パティパダー)5月号』にも、本書の内容とほぼ同じ内容のもの掲載されています

生きとし生けるものが幸せでありますように。




本書はカナダで感染が急速に拡大し始めた3月22日、オタワのお寺で説かれたチャンディマ長老の法話の日本語訳です。


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大の影響を受け、世界中の多くの人が不安や恐れ、ストレスを感じています。
さまざまな情報が飛び交うなか、どのように対応してよいのか、わからない状態でいます。
さらに、感染することへの恐れや孤立することへの恐れ、収入が減ることへの恐れ、仕事がなくなることへの恐れなど、心にはこれまでに感じたことのない感情が、次々に湧き起こってきます。
私たちはこの心の問題にどう対応していけばよいのでしょうか?
仏教の観点から、ポイントを8つご紹介いたしましょう。

【目 次】

はじめに
1 専門家のアドバイスに従う
2 家族との時間を大切にする
3 善行為(kusala)をする
4 意味を理解して経典を唱える
5 慈しみと思いやりを広げる
6 心を観察する(マインドフルネス)
7 あらゆるものごとは「過ぎ去る」ことを観察する
8 理解し、みなで協力する
著者紹介


※G.チャンディマ長老の書籍はこちらです。


 チャンディマ・ガンゴダウィラ長老の電子書籍「Sukhi Hotu出版」


生きとし生けるものが幸せでありますように
悩み苦しみがなくなりますように

Sabbe sattā bhavantu sukhitattā


2020/04/03

③怒らない実践(新しい生き方を切り拓く7つの実践)


チャンディマ・ガンゴダウィラ長老 新しい生き方を切り拓く7つの実践「小業分別経」

ブッダが説いた原因と結果の関係
世俗的な項目から始まり、最後に智慧まで

③ 怒らない実践


私たちがすべき3番目の実践は、
忍耐し、心穏やかにいることです。
嫌なことを言われても、怒りません。
この怒らないことの結果として、
おのずと美しさ(端正)が
享受できるのです……。

チャンディマ・ガンゴダウィラ長老
『新しい生き方を切り拓く7つの実践:小業分別経』より

『新しい生き方を切り拓く7つの実践ー小業分別経』チャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)


生きとし生けるものが幸せでありますように
Sabbe sattā bhavantu sukhitattā


2020/04/01

慈経(Metta Sutta)


生きとし生けるものが幸せでありますように




1. Karaṇīyamatthakusalena yaṃ taṃ santaṃ padaṃ abhisamecca,
Sakko ujū ca sūjū ca suvacocassa mudu anatimānī.

2. Santussako ca subharo ca appakicco ca sallahukavuttī,
Santindriyo ca nipako ca appagabbho kulesu ananugiddho.

3. Na ca khuddaṃ samācare kiñci yena viññū pare upavadeyyuṃ
Sukhino vā khemino hontu sabbe sattā bhavantu sukhitattā

4. Ye keci pāṇa bhūtatthi tasā vā thāvarā vā anavasesā
Dīghā vā ye mahantā vā majjhamā rassakāṇukathūlā

5. Diṭṭhā vā yeva addiṭṭhā ye ca dūre vasanti avidūre
Bhūtā vā sambhavesī vā sabbe sattā bhavantu sukhitattā

6. Na paro paraṃ nikubbetha nātimaññetha katthaci naṃ kañci
Byārosanā paṭighasaññā nāññamaññassa dukkhamiccheyya

7. Mātā yathā niyaṃ puttaṃ āyusā ekaputtamanurakkhe
Evampi sabbabhūtesū mānasaṃ bhāvaye aparimānaṃ

8. Mettaṃ ca sabbalokasmiṃ mānasaṃ bhāvaye aparimānaṃ
Uddhaṃ adho ca tiriyañca asambādhaṃ averaṃ asapattaṃ

9. Tiṭṭhaṃ caraṃ nisinno vā sayāno vā yāvatassa vigatamiddho
Etaṃ satiṃ adhiṭṭheyya brahmametaṃ vihāraṃ idhamāhu

10. Diṭṭhiñca anupagamma sīlavā dassanena sampanno
Kāmesu vineyya gedhaṃ nahi jātu gabbhaseyyaṃ punaretīti.



関連図書(電子書籍)
慈経ーブッダが教えた慈悲と善行為
チャンディマ・ガンゴダウィラ長老 著

生きとし生けるものが幸せでありますように


2020/03/24

宝経(Ratana Sutta)

生きとし生けるものが安穏でありますように




1. Yānīdha bhūtāni samāgatāni
Bhummāni vā yāni va antalikkhe,
Sabbeva bhūtā sumanā bhavantu
Athopi sakkacca suṇantu bhāsitaṃ.

2. Tasmā hi bhūtā nisāmetha sabbe
Mettaṃ karotha mānusiyā pajāya,
Divā ca ratto ca haranti ye baliṃ
Tasmā hi ne rakkhatha appamattā.

3. Yaṃ kiñci vittaṃ idha vā huraṃ vā
Saggesu vā yaṃ ratanaṃ paṇītaṃ,
Na no samaṃ atthi tathāgatena
Idampi buddhe ratanaṃ paṇītaṃ
Etena saccena suvatthi hotu.

2020/03/19

ほんものの恐怖とは?1-2

恐怖の仕組み

仏教的に恐怖の問題を分析してみましょう。


自作の安全

人が怯え・不安・恐怖感を感じるのは当然ですが、その原因はわからないのです。まず、最初の原因を説明しましょう。

人は皆、「自作の安全」という感情を持っています。それは人に限ったものではなく、すべての生命が自作安全というセキュリティ・システムに入っているのです。面白いことは、自分が自分で作ったセキュリティ・システムに頼って生きていることに気がつかないことです。自作安全だから、その強度は人の能力によって変わります。自分で作ったセキュリティ・システムは、ときどき攻撃を受けます。それで、セキュリティ・システムが壊れてしまう危険性が生じます。そのとき、人は恐怖を感じるのです。
これは人に限ったことではありません。神々も恐怖を感じます。経典には、「自分勝手に作ったセキュリティ・システムが壊れると、神々は恐怖感で怯える」と明確にあるのです。

2020/03/14

②思いやりの実践(新しい生き方を切り拓く7つの実践)


新しい生き方を切り拓く7つの実践
https://sukhi-hotu.blogspot.com/2020/02/culakammma.html

②思いやりの実践

この2番目の教えから私たちが学ぶべきことは、他の生命を大切にし、いたわり、やさしくすることです。

いかなる生命も、傷つけたり、いじめたり、暴力をふるったりしません。その善い行為の結果として、今生や将来の生で、健康を享受することができるのです……。
チャンディマ・ガンゴダウィラ長老
『新しい生き方を切り拓く7つの実践:小業分別経』より

『新しい生き方を切り拓く7つの実践ー小業分別経』チャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)


生きとし生けるものが幸せでありますように
Sabbe sattā bhavantu sukhitattā


2020/03/13

ほんものの恐怖とは?1-1

お化けが怖い。先祖の霊が怖い。祟りが怖い。悪魔が怖い。隣の怪しいおじさんが怖い。通り魔が怖い。女が怖い。男が怖い。他民族が怖い。津波が怖い。噴火が怖い。自然災害が怖い。伝染病が怖い。交通事故が怖い。犯罪に巻き込まれるのが怖い。戦争が怖い。カルトの勧誘が怖い。宇宙人の侵略が怖い。世の中にはかくも多くの恐怖の対象があります。怪談やホラーとして娯楽にできるものはわずかで、多くの「怖いものリスト」は、私たちのリアルな悩み心配の種です。
あるとき、お釈迦様は「この世界で最大の恐怖とはなんですか?」という質問を受けました。最大の恐怖を知り、またそれを克服することができれば、私たちは何も恐れずに安心して楽しく生活できるはずです。気になるブッダの答えを学んでみましょう。(講演会サマリーより要約)


妄想で恐怖がどこまでも大きくなる

2020/03/03

①慈しみの実践(新しい生き方を切り拓く7つの実践)


チャンディマ・ガンゴダウィラ長老著:新しい生き方を切り拓く7つの実践:小業分別経


① 慈しみの実践

慈悲は、私たちがみずからの心に育て、
常に抱くべき、やさしい思いです。

このやさしさが原因となり、
自分の命が守られ、
寿命を全うする助けになるのです……。

チャンディマ・ガンゴダウィラ長老
『新しい生き方を切り拓く7つの実践:小業分別経』より


生きとし生けるものが幸せでありますように
Sabbe sattā bhavantu sukhitattā

2020/03/02

八正道勉強会(第4回「正語」)のレポート


1月に行われた八正道の勉強会(湘南ダンマサークルさん主催)のレポートを、しのさんがブログ「瞑想以前」で書いてくださいました。よろしければ、お読みになってみてください。テキストは、『8マインドフル・ステップス』(グナラタナ長老著)です。
1 お待ちかね八正道勉強会、今回は「正語」について

2020/02/24

『新しい生き方を切り拓く7つの実践ー小業分別経』


『新しい生き方を切り拓く7つの実践ー小業分別経』チャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)が刊行されました。


『新しい生き方を切り拓く7つの実践ー小業分別経』チャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)
『新しい生き方を切り拓く7つのステップー小業分別経』
チャンディマ・ガンゴダウィラ長老


物質的な幸せであれ、精神的な幸せであれ、世俗的な幸せであれ、出世間的な幸せであれ、何かしら幸せを享受するためには、心や感情、煩悩を管理することが欠かせません。
怒ったり、嫉妬したり、欲張ったりしない心、そういった善い心や行為によって、私たちはおのずと幸せへと導かれていくのです。

生命を殺すのではなく、慈しむことによって、
生命を傷つけるのではなく、思いやることによって、
怒るのではなく、怒らないことによって、
嫉妬するのではなく、他者の幸せを喜ぶことによって、
物惜しみをするのではなく、施すことによって、
傲慢になるのではなく、謙虚になることによって、
問うべきことを問わないのではなく、問うべきことを問うことによって、
善い原因がつくられ、条件がそろったとき、おのずと善い結果が現れる、とブッダは教えられました。

この因果法則としての〈業の法則〉を理解し、執着のない善い心で、日々淡々と善い行為をおこない、さらに心を清らかにしようと精進するなら、やがて一切の苦しみを乗り越える智慧が現れるでしょう。

【目 次】


はじめに――人のあいだに見られる差


第1章 何が人生をつくるのか?


■ 業〈カルマ〉についての誤解
■ ブッダが教えた「業」とは?
■ 「業」から見れば、人はみな公平
■ ごまかさずに自分を正直に観ることができるか?
■ 「業」とは何か?――その正体
 ・業だけが自分のもの(kammassakā)
 ・業を引き継ぐ(kammadāyādā)
 ・業から生まれる(kammayonī)
 ・業は切り離せない(kammabandhu)
 ・業はよりどころ(kammapaṭisaraṇā)
 ・生命に優劣をつけているのは「業」
 
■ 5つの法則
 ・自然の法則(utu-niyāma)
 ・種子の法則(bīja-niyāma)
 ・業の法則 (kamma-niyāma)
 ・心の法則 (citta-niyāma)
 ・法の法則 (dhamma-niyāma)

■ 身・口・意を管理する


第2章 善い結果に導く7つの実践


1 慈しみの実践
 ・殺生する人
 ・生命を慈しむ人
 ・生きとし生けるものへの慈しみ

2 思いやりの実践
 ・他の生命を害す人
 ・他の生命を害さない人
 ・生命を大切にする心

3 怒らない実践
 ・ささいなことで怒る人
 ・多くのことを言われても怒らない人
 ・穏やかさと忍耐

4 他者の幸せを喜ぶ実践
 ・嫉妬する人
 ・嫉妬しない人
 ・他者の成功を喜び、感謝する

5 施しの実践
 ・施さない人
 ・施す人
 ・与えることで豊かになる

6 謙虚さの実践
 ・傲慢な人
 ・傲慢ではない人
 ・謙虚さを忘れない

7 問うべきことを問う実践
 ・智慧のない人
 ・智慧のある人
 ・最初に問うべきこととは?


第3章 大切なのは、いまの行為


訳者あとがき
著者紹介


【著 者】

チャンディマ・ガンゴダウィラ長老

Ven. Dr. Chandima Gangodawila


テーラワーダ仏教長老。
2008年、スリランカの国立スリジャヤワルダナプラ大学で、学士号(優等学位)を取得。最優秀者賞を受賞。2015年、博士号を取得。

カナダに渡り、ブリティッシュコロンビア大学で4年間、仏教チャプレンを務め、さらにヴィクトリア大学で教鞭を執る。
現在、カナダのオタワ・テーラワーダ・ブッディストヴィハーラに在住。
カナダを中心に、イギリスのケンブリッジ大学、アメリカ、マレーシア、タイ、スリランカの大学や寺院で、講義や法話をおこなっている。
著書に『幸せへの鍵:慈経に学ぶ〈15の善習慣〉と〈10の善行為〉』『妄想の対処法:マドゥピンディカ・スッタ(蜜丸経)』『業(カルマ)は直線ではないー生き方を変えられるのは、いま:マハーカンマヴィバンガ・スッタ(大業分別経)』(Sukhi Hotu)、英語の著書や論文に “A Critical appraisal of the contribution of Germany and France to Sanskrit studies” “An Annotated Translation Into English Of Ratnamālāvadāna With A Critical Introduction” などがある。



生きとし生けるものが幸せでありますように
Sabbe sattā bhavantu sukhitattā