2011/12/10

預流果に覚る条件(6)


マハーナーマ経


多くの方が仏法僧を信じていますし、戒律も守っています。

でも「あなたの信は確かですか? 揺らがないですか?」

と聞くと、「私はちょっと自信がありません……」と言う人がほとんどです。


預流果に覚る条件『マハーナーマ・スッタ』



もし、いかなる場合でも「私の仏法僧にたいする信は変わらない」という自信があり、「誰に、どんなに誘惑されても、私は戒律を破りません」という決意があるなら、預流果です。



この「破るはずがない」という堅固な信、それがあれば預流果なのです。


「状況によって、どうするかわかりません。破るかもしれません……」というのは、なさけない生き方です。「今日は嘘をつきませんが、明日はわかりません。時と場合によって嘘をつくこともあります……」と言うならば、人格的にはまだまだしっかりしてないということです。

人格者というのは「破りません」と、はっきり決まっているのです。



預流果に覚っているなら、「仏法僧にたいする信」が揺らぐはずがありません。

戒律に関しても、誰に何を言われても、「絶対に破りません」という堂々たる態度です。

恐い上司に脅されても、「私はやりません」と、はっきりしています。


では、殺されそうになったら?


冗談じゃない。たとえ自分が殺されそうなっても、戒律を破ることはありません。

そのぐらい堅固な確信があり、そのように生きているなら、預流果の境地なのです。


預流果に覚ったら、解脱は確定です。

堕落することはありません。

地獄に落ちることも決してないのです。

天界など幸福な次元に生まれ変わるのですが、どこに生まれ変わっても解脱の方へ引かれ、解脱の方へ進んでいきます。

ですから、仏教徒は誰でも「預流果に覚ること」を目指して頑張るのです。


(続きます)


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法話:スマナサーラ長老

預流果に覚る条件『マハーナーマ・スッタ』

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編集/文:出村佳子

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