ほんものの恐怖とは?③-2 の続き
自分の感覚に愛着する
おかしなことに、その感覚や刺激にたいして、私たちは愛着を抱くのです。
花に愛着するのではありません。
花を見たときに生まれた自分の感覚に愛着を抱くのです。
ある時、勝手に起こった感覚への愛着を勘違いして、「あの花は素晴らしい、あの花が欲しい」と妄想するのです。
たとえば大好きな歌手がいて、「あの歌手の歌が欲しい」と思ったとしましょう。
欲しければスマホに音源をダウンロードして、ポケットに入れて持ち歩き、いつでも聴いていればいいでしょう。
でも繰り返し聴いていると、あの愛着は消えていき、やがて飽きてしまうのです。
ですからその人は大好きな歌手の歌ではなく、自分の耳の感覚に愛着を持ったに過ぎないのです。
(続きます)
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スマナサーラ長老 法話「ほんものの恐怖とは?」
文:出村佳子
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生きとし生けるものが幸せでありますように