対機説法:医者が薬を処方するように「来た見よ2-④」からの続き
3 お釈迦さまに出会った人たち
お釈迦さまは悟りを開かれた日から涅槃に入られる日まで、無数の人々に出会い、法を説かれ、人々の苦しみを解決し、悟りに導かれました。
その代表的な方々を何人かご紹介しましょう。
●卓抜した天才
まずは「智慧第一」と称されたサーリプッタ尊者です。
サーリプッタ尊者は桁違いに天才で、抜群の知識能力があり、非常に明晰で、理論的、論理的な方でした。
その一方、大変謙虚で、穏やかで、落ち着いた性格の持ち主でした。
このサーリプッタ尊者と、「神通第一」と称されたモッガラーナ尊者の二人は、お釈迦さまに会い、教えをたった一行聞いただけで悟った二人です。
これは普通の人間には決してできることではありません。
たった一行聞いただけで「これが真理だ」と理解できるのですから、この二人は並大抵の人ではありません。
卓抜した天才なのです。
●俗世間から離れて修行に励む行者
当時のインドには修行者たちがたくさんいました。
俗世間とはまったく関係を持たず、人と顔も合わせずに、欲を捨て、森の中で何年も何年も瞑想に励み、徹底的に修行をしていたのです。
いわゆる仙人といわれる高い精神的境地に達している人たちもいました。
ですから並大抵の人々ではなかったのです。
でも、そういう修行者たちにも、心にちょっとした不安がありました。
瞑想してすごい喜悦感を感じるのですが、微かに不安が引っ掛かっているのです。
そこで、そういう雲の上のような存在の善人たちも、お釈迦さまに会う機会があったら法を聞き、対話して、心に引っ掛かっている不安を取り除き、完全なる悟りを開いたのです。
(続きます)
生きとし生けるものが幸せでありますように
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法話:スマナサーラ長老
来たれ見よ (Ehipassiko) :誰でもチャレンジできる仏教実践
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文:出村佳子
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