精進覚支(Viriya-Sambojjhanga)の栄養素
そこで、①始める努力、②継続する努力、③困難を乗り越える努力、
これらが「精進覚支」を育てるために必要な要素です。
これら3つの要素をありのままに観察し(如理作意)、多く実践することによって、精進覚支が生まれます。
さらには完成へと導いてくれるのです。
①起動力(Ārambhadhātu)
Ārambhadhātu(アーランバダートゥ)とは、始めること、開始すること、起動すること、という意味です。
力を起こして行為を始めることであり、あらゆる努力の出発点になります。
どんな行為をするときでも、善い行為をするときにはとくに、この「起動の要素」は欠かせません。
善い行為をしよう、悪い行為をやめよう、戒律を守ろう、瞑想をしよう、心を育てよう、善い道を歩もう、心を清らかにしようなどと、新たに行動を起こそうとする力が必要なのです。
頭の中でただ考えているだけでは、行動に移せませんね。そのときは、とにかく始める努力が必要なのです。
このように心のエネルギーを起動させ、努力のエネルギーを引き起こすことが、精進覚支の1番目の要素です。
まず、ここから始めるのです。
チャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)
『こころの栄養―5つの蓋と7つの悟りの要素〈五蓋と七覚支〉
ありのままに見る智慧』より