捨覚支(upekkhā-sambojjhanga)の栄養素
多くの方にとって捨(ウペッカー)を実践することは、むずかしいことです。
何かを見たり聞いたりすると、どうしてもそれにとらわれ、楽しくなったり、嬉しくなったり、悲しくなったり、腹が立ったりして、心に何かしら波が起こり、揺れ動くからです。
なぜ、揺れ動くのでしょうか?
心に「貪(欲)・瞋(怒り)・痴(無知)」があるからです。
この「貪(欲)・瞋(怒り)・痴(無知)」の波が消えて、穏やかに平静でいることが、ウペッカーなのです。
ウペッカーは、七覚支の中で最も高いレベルの覚支です。
では、ウペッカー(捨)を育てる栄養はなんでしょうか?
感情にとらわれず、何にも執着しないことです。
見たものや聞いたものなど「眼・耳・鼻・舌・身・意」で認識したものにたいして、ただ冷静に、客観的に観察していることです。
そこで、捨が生じたとき、それをありのままに見て如理作意をよく実践することにより、捨覚支が生じます。
さらには、捨覚支を完成へと導いてくれるのです。
チャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)
『こころの栄養―5つの蓋と7つの悟りの要素〈五蓋と七覚支〉
ありのままに見る智慧』より