迷信に頼らず、忍耐と理性を育てる「問題をつくるのは誰か?②」からの続き
無 知
問題が起こったとき、「問題の原因がわからない」ことが多いものです。
なぜわからないのかというと、頭の中が自己中心的な欲や妄想でいっぱいになり、俗世間の暗い闇に覆われているからです。
何か不幸なことに遭うと、人は無知のせいで、間違った原因を考え、間違ったやり方で問題を解決しようとします。
自分が不幸になったのは、神や霊など外部の力によるものだと考え、祈祷したり、捧げ物をしたりして、問題を解決しようとするのです。
でも、そのようなことをしても問題は解決しません。
自分が不幸になっている原因は、自分にあるのですから。
多くの人は、「道徳や精神を育てることを通して自分の生き方を改善する努力」をしようとしません。
何か問題が起こったときには、祈ったり、宗教家に特別な儀式をしてもらえばいい、と間違った考えを持っているのです。
このような根拠のないことを信じているかぎり、「正しい見方でものごとを理解する智恵」を身につけることはできないでしょう。
(続きます)
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出村佳子〔訳〕
"Who creates problems?" by Ven. Dr. K. Sri Dhammananda Thero
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