はじめに――善習慣と善行為
「日々、心穏やかに生きていきたいんですが、どうすればよいのかわかりません……」
こういった質問をいただくことが、よくあります。
みなさんも、一度は疑問に思ったことがあるかもしれません。
ブッダは、「悩み苦しみをなくし、幸せにいたる道」を教えられました。
その道は「一つの道」ですが、聴く人がそれぞれ理解できるよう、ブッダはさまざまなアプローチをとって法(ダンマ)を説かれました。
本書では、私たちが幸せになるためにどうしても欠かせない「善い習慣(善習慣)」と「善い行為(善行為)」についてお話いたしましょう。
「善習慣」が15項目、「善行為」が10項目あります。
そのひとつひとつが互いに支え合い、協力し合い、連動し合いながら、心は少しずつ成長し、清らかになっていきます。
やがて、揺らぐことのない幸せが築かれ、涅槃に到達できるでしょう。
まず、「善習慣」とは何か、「善行為」とは何か、ということについてお話いたします。
「善習慣」と「善行為」の2つのセットがあります。
この2つのセットがそれぞれどのようなものかを理解するようにしてください。
その後、なぜこの2つのセットを実践することが必要なのか、ということについて学んでみましょう。
『慈経に学ぶ〈15の善習慣〉と〈10の善行為〉』
はじめに――善習慣と善行為より
チャンディマ・ガンゴダウィラ長老著