嫉妬の2つの顔
嫉妬の感情をもう少し詳しく分析してみると、嫉妬には2つの面があることがわかります。
・他人が失敗すると、喜びを感じる
・他人が幸せだと、腹が立つ
強弱の差はあれ、人のこころにはたいていこの2つの働きがあります。
「他人が失敗すると喜びを感じる」のは、どのようなときでしょうか?
自分よりも優れている相手、ライバル視している相手が、ミスしたり失敗したりしたのを見たときに、ほっとしたり、嬉しくなったりすることがあります。
あるいは、ざまあみろといった気持ちになることもあります。
これは、自分はその人には敵(かな)わないと思っていたのに、失敗することもあるんだということを知って、自分の立場が高くなったように感じるからです。
その人が不幸になると、こころにちょっとした喜びを感じるのです。
では、「他人の幸せに腹が立つ」のはどのようなときでしょうか?
他人が幸せになるのがイヤなのです。
他人が幸せでいるのを見ると、「自分には能力がない……」「自分は幸せではない……」「不幸だ……」と自分を否定してしまいます。
それで腹が立ち、相手を敵視するのです。
このように、嫉妬は2つの顔を持っています。
場面に応じて顔をあらわすのです。
幸せになりたければ、こころに潜むこの嫉妬の2つの顔に気づき、そこから離れるようにしてください。
チャンディマ・ガンゴダウィラ長老
「第4章 喜びを奪う嫉妬」より
『喜び〈Muditā〉― 他人の幸せを喜ぶ人は幸せになる:嫉妬の手放しの方』