2024/06/09

掉挙(浮ついた心、あせり)『こころの栄養――こころを害する食:五蓋』より

 

◎掉挙(浮ついた心、あせり)


「掉挙(じょうこ)」は、不善心所の「痴(ち)」( moha :モーハ )のグループに入っています。

「痴」とは、ものごとを正しく理解していないことです。


そこで、心に掉挙があり、落ち着きがなく、浮ついた状態では、何をしてもうまくいきません。

なぜでしょうか?


それは、無知が働いているからです。
そのときそのときの状況や自分自身のことを理解していないからです。



不善心所には、

 ・貪りなどの「貪」のグループ

 ・怒りなどの「瞋」のグループ

 ・掉挙などの「痴」のグループ

 ・疑などの「その他」のグループ


に分けられますが、その中でも不善心所のおおもとは、「痴」です。
無知(痴)があるから、心に欲(貪)や怒り(瞋)が生じるのです。


そこで、「痴」のグループに入っている「掉挙」は、すべての不善心所に働いています。
つまり、掉挙は、どの不善心所――「貪」のグループにも、「瞋」のグループにも――働いているということです。


したがって、何か悪いおこないや不善行為をするときには必ず、心は浮ついた状態で、掉挙が働いているのです。


チャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)
『こころの栄養―5つの蓋と7つの悟りの要素〈五蓋と七覚支〉
第3章 心を害する食――五蓋りのままに見る智慧』より