「慢」とのつき合い方②-2
つづき執着するのは私たちが価値を入れたときです。価値はプラスであってもマイナスであっても、執着です。どちらも執着なのです。
たとえば、公園で捨てネコを見つけたとしましょう。捨てネコですが、こちらに寄ってきて、なきながら手をなめたりすると、「なんてかわいいか。でも首輪がない。かわいそうに。捨てられたんだ。家で飼ってあげよう」と、プラスの価値を入れます。それで家に連れて帰り、エサやミルクをあげ、かわいがるのです。悩みや苦しみ、ストレスから解放されるために、本当に必要なことは何か? ブッダは、日常生活でできる〈心〉と〈言葉〉と〈身体〉のととのえ方を教えられました。これを理解し、実践することで、心は軽くなり、幸せになっていくでしょう。

「自己への慈しみ」から始まる「他者への慈しみ」。「我の理解」から始まる「無我の理解」。心を段階的に育てていく方法。

感情の波に振り回されず、感情を上手に管理していく、心の育て方。社会の中で幸せに生きるために、私たちがすべきこととは?


事実をあるがままに見て、心を苦しめている妄想や主観から離れるための一冊です。


By Ven. Dr. Chandima Gangodawila 2020-04-23
