2018/11/18

希望と欲望③-2


カッとなる子供


現代の子供たちはなぜカッとなってキレやすいのかといいますと、おそらく途轍もない欲望と誘惑で心がいじめられていると思います。


一流の学校に進学したい、いい成績をとりたい、勉強しなくてはいけない、でも遊びたい、ゲームをやりたい、サッカーもやりたい、あれをやらなくてはいけない、これもやらなくてはいけない、ああだこうだと、ありとあらゆる欲望と、さらには親の過剰な期待や要望がのしかかってきて、子供たちの心が病んでいます。


欲望が強いと、それは逆の性質の怒りとして表面に現れます。それでカッとなったり、キレたりするのです。



猛獣(欲)の管理



お釈迦様は、ノーマルな欲に関しては、それほど厳しく言っていませんが、異常な欲に関しては厳しく戒めています。異常な欲は、猛獣のようなものです。


そこで、猛獣をどうしても自宅で飼いたいというなら別に飼ってもいいのですが、そのときはかなり気をつけなければなりません。

たとえば毒ヘビを飼うときは、首に巻いて飼ってはなりません。自分が殺されます。毒ヘビと遊んではならないのです。


そうではなく、どうやって飼えば安全か、エサをあげるときはどうすればよいか、万一噛まれたときはどうすればよいかなど、どのように扱えばよいのかを十分調べて、慎重に扱う必要があります。

そうすると、危険が低い状態で毒ヘビを飼うことができるのです。もし、格好いいから、美しいから、珍しいからといって、何も注意せず、毒ヘビと遊んでしまったら、その人の命は危ないでしょう。
(続きます)

根本仏教講義『希望と欲望③-2』
スマナサーラ長老法話

編集/文責:出村佳子