嫉妬への対処法
業(kamma)
どのように嫉妬に対処することができるのでしょうか?
たとえば、同じ時期に入社した同僚が自分よりも先に出世すると、こころに嫉妬がわき起こります。「あー、自分は成功していない」とか「自分には能力がない」と考えて、相手にたいして嫉妬を感じるのです。
このとき、こころの中でフォーカスしているのは何でしょうか?
「自分には能力がない」「あの人はできるのに自分はできない」といったことです。
ここで私たちがすべきことは、視点を変えることです。「自分にはない」「自分はできない」と見ることから、「あの人はこれまでの人生、あるいは過去世で努力してきた。だから、いまその結果を得ている」と理解することです。
たとえば友人が昇進により収入がアップし、新しい車や新しい家を購入したのを見たとしましょう。嫉妬の強い人はたいていすぐに自分と比較して、「うらやましい。自分も欲しい。なんで自分にはないのか」という気持ちになります。
こころには「比較する」という働きがあります。誰かが幸せなのを見ると、「なんで自分は持っていないのか」「なんで自分にはないのか」と比べて、「自分は持っていない」「自分にはない」と嫉妬してしまうのです。
そこで、業の法則にあてはめて正しく理解するようにしてください。「この人はこれまで頑張って努力してきた。その結果をいま受けている」と理解するのです。正しく理解できれば、こころは落ち着いていくでしょう。
このように「原因と結果の法則」を観て理解することにより、嫉妬を克服することができるのです。
チャンディマ・ガンゴダウィラ長老
「第5章 嫉妬への3つの対処法
業(kamma)を理解する」より
『喜び〈Muditā〉― 他人の幸せを喜ぶ人は幸せになる:嫉妬の手放しの方』