2023/09/10

天界に生まれ変わったカエル/子ヒツジと母ヒツジ/出家したかったヘビ〈ブッダに出会った人たち〉3‐⑪

    

アングリマーラ/苦行者/預流果に悟った召使い〈ブッダに出会った人たち〉「来たれ見よ3-⑩」からの続き


●天界に生まれ変わったカエル


お釈迦さまに出会って幸福をつかんだのは人間だけではありません。
神々や動物たちも心の安らぎを味わいました。



あるとき、比丘と在家信者たちがお釈迦さまの説法を聞いているところに、一匹の小さなカエルが餌を探しにやってきました。


このカエル、お釈迦さまの声が耳に入った瞬間、身動きできなくなりました。というのも、お釈迦さまの声にはある種の響きがあり、その声を聞くと心が落ちつくのです。

2023/09/07

慈経に学ぶ〈15の善習慣〉と〈10の善行為〉「はじめに―善習慣と善行為」より

 


はじめに――善習慣と善行為


「日々、心穏やかに生きていきたいんですが、どうすればよいのかわかりません……」


こういった質問をいただくことが、よくあります。

みなさんも、一度は疑問に思ったことがあるかもしれません。


ブッダは、「悩み苦しみをなくし、幸せにいたる道」を教えられました。

その道は「一つの道」ですが、聴く人がそれぞれ理解できるよう、ブッダはさまざまなアプローチをとって法(ダンマ)を説かれました。


本書では、私たちが幸せになるためにどうしても欠かせない「善い習慣(善習慣)」と「善い行為(善行為)」についてお話いたしましょう。


「善習慣」が15項目、「善行為」が10項目あります。

そのひとつひとつが互いに支え合い、協力し合い、連動し合いながら、心は少しずつ成長し、清らかになっていきます。

やがて、揺らぐことのない幸せが築かれ、涅槃に到達できるでしょう。


まず、「善習慣」とは何か、「善行為」とは何か、ということについてお話いたします。

「善習慣」と「善行為」の2つのセットがあります。

この2つのセットがそれぞれどのようなものかを理解するようにしてください。


その後、なぜこの2つのセットを実践することが必要なのか、ということについて学んでみましょう。


『慈経に学ぶ〈15の善習慣〉と〈10の善行為〉』
はじめに――善習慣と善行為より
チャンディマ・ガンゴダウィラ長老著







2023/09/03

家族・隣人との関係/不安定な心「問題をつくるのは誰か?⑦」

  

賢者のアドバイスに耳を傾ける「問題をつくるのは誰か?⑥」からの続き


家族・隣人との関係


家族の問題について考えてみましょう。

互いに協力しあい、調和や慈しみをもって生活している家族はどのくらいいるでしょうか?

2023/08/31

張りすぎず、緩みすぎず


ブッダが、ソーマ長老に「琴」のたとえを使って説いた有名な教え。

「琴」のかわりに「ギター」をたとえにして教えています。チャンディマ長老

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ブッダが説いたソーナ長老への教え


ブッダが、ソーナ長老に説いた有名な教えがあります。

ソーナ長老は在家のとき裕福で、琴の名手でした。

ある日、ブッダの教えを聴き、出家しました。

以来、悟りを目指して懸命に精進し、修行に励んでいました。

凄まじい精進にもかかわらず、なかなか悟りに達しません。


その様子を見たブッダは、ソーナ長老におっしゃいました。


「ソーナよ。琴はどうすれば美しい音色を奏でるだろうか?

 張りすぎた琴の弦は、美しい音色を奏でるだろうか?」


「いいえ、お釈迦様。張りすぎた弦は、美しい音色を奏でません」


「では、緩みすぎた琴の弦は、美しい音色を奏でるだろうか?」


「いいえ、お釈迦様。緩みすぎた琴の弦も、美しい音色を奏でません」


「それではソーナよ。張りすぎず、緩みすぎず、ちょうどよく張られた琴の弦は、美しい音色を奏でるだろうか?」


「はい、お釈迦様。張りすぎず、緩みすぎず、ちょうどよく張られた弦は、美しい音色を奏でます」


「ソーナよ、修行もそのようなものです。張りすぎず、緩みすぎないことが重要です」


この言葉を聞いたソーナ長老は、自分の修行が極端だったことに気づき、中道を実践しました。

その結果、ついに悟りに達したのです。


2023/08/27

アングリマーラ/苦行者/預流果に悟った召使い〈ブッダに出会った人たち〉3-⑩

 

●アングリマーラ


アングリマーラ(Angulimala)という凶暴な殺人鬼がいました。

罪のない人を殺しては指を切り、切った指を首飾りにしていました。

しかし、このような残忍凶暴なアングリマーラも、お釈迦さまに会ったとたん、人殺しをすべてやめたのです。