2024/01/19

謙虚さ『慈経に学ぶ〈15の善習慣〉と〈10の善行為〉』

 

6.謙虚さ(anatimānī


善い習慣の6番目は、「アナティマーニー(anatimānī)」です。
これは、傲慢ではなく謙虚であることです。


なぜ、謙虚さを身につける必要があるのでしょうか?



謙虚な人は、現実的で、正直で、地に足が着いています。


私たちは地に足をしっかり着けて生きるべきであって、宙に浮いたようにフワフワしていてはいけません。

威張って傲慢で生きるべきではありません

そのためには、謙虚で落ち着いている必要があります。


ブッダは私たちに、いつでも謙虚でいるようにとおっしゃいました。

謙虚でいることは、私たちが生きるうえで非常に重要なことです。

ブッダはとても謙虚な方でした。悟りを開く前、どの過去世においても菩薩として謙虚でいたことの例が、『ジャータカ物語(前世物語)』に記されています。

どの「生」でも、ブッダはずっと謙虚な性格でいたのです。


私たちも、謙虚さを習慣にし、身につけるべきです。
謙虚でいることは、悟りに達するために欠かせない要素なのです。


『慈経に学ぶ〈15の善習慣〉と〈10の善行為〉』
「15の善習慣 6. 謙虚さ(anatimānī
より

チャンディマ・ガンゴダウィラ長老(著)






2024/01/12

外に投影されたこころの世界│『正見〈正しい見方:Sammā Diṭṭhi〉―八正道 ① 』


外に投影されたこころの世界


この点について、もう少し説明いたしましょう。

私たちは同じものを見ているのに、なぜ違う世界を感じるのでしょうか?
同じ音を聞いているのに、なぜ違う印象を受けるのでしょうか?




それは、私たちのこころや身体、知識、経験、価値観が違うからです。個々の感覚、経験、考え方によって、ものごとのとらえ方が異なるのです。


たとえばバラの花を見たとき、あなたはどんな気持ちになりますか?

嬉しいですか? 悲しいですか? 美しいと感じますか? イヤだと感じますか? それとも何も感じませんか? 


人によってバラの花にたいする気持ちはさまざまです。それはバラの花が、あなたにとってどんな意味や価値観を持つかによって決まります。

バラの花が好きな人は、喜びを感じるかもしれません。嫌いな人は、イライラするかもしれません。トゲに刺さってケガをしたことがある人は、嫌悪感を持つかもしれません。バラの花に興味がない人は、何も感じないかもしれません。


このように、同じものを見ても感じ方やとらえ方、見方は人それぞれです。バラの花にたいする気持ちや感情が異なるからです。ですから同じものを見ても、それぞれ見方は違うのです。


第2章 なぜ、ありのままに見られないのか? より

正見〈正しい見方:Sammā Diṭṭhi〉
ありのままに見る智慧―八正道 ①

チャンディマ・ガンゴダウィラ長老【著】

正見〈正しい見方:Sammā Diṭṭhi〉―八正道 ① チャンディマ長老

2024/01/11

見解への執着(見取)「自由への突破口③-2」

  

五欲への執着を戒める"戒と律"「自由への突破口③-1」からの続き


②見解への執着(見取)diṭṭhupādānaṃ


執着の二番目は、見解への執着(見取)diṭṭhupādānaṃ です。

誰にだって自分の考えがあります。人は情報を認識すると、心に概念が生じます。

たとえばテーブルに触れたとき、身体は「硬さ」と「熱」しか感じません。
でも、頭の中では「これはテーブルだ」と考えます。
そういう感じで頭の中に概念が起こるのです。

2024/01/08

はじめに:りんごは赤い?│『正見〈正しい見方:Sammā Diṭṭhi〉―八正道 ① 』


あなたは「自分の見方が正しい」と思いますか?


たとえば、あなたは「りんごが赤い」と思っています。でも、となりの人は「りんごは青い」と言っています。

あなたは自分の見方が正しいと思いますか? となりの人の見方が正しいと思いますか?

それとも、どちらも正しいと思いますか? 間違っていると思いますか? 

自分の見方が他人の見方と違うとき、どう感じますか? 

正しい見方――正見――とは、どのようなものでしょうか?

正見〈正しい見方:Sammā Diṭṭhi〉―八正道 ① チャンディマ長老


この本では、正しい見方「正見」について学んでいきます。「正見」を理解するために、主に以下のポイントをお話いたします。


まず、「正見とは何か」についてお話します。正見とは、ものごとの本質や真理をあるがままに見ることです。この正見によって、苦しみから解放されることができるのです。


それから、「正見をさまたげるもの――〈見〉と〈邪見〉」について解説します。正見をさまたげるものとはどのようなものでしょうか?

それには偏見や先入観、主観などがあります。これは自分の経験や知識、感情、欲、希望、願望、好き嫌いなどによって、ものごとを判断したり決めつけたりすることです。この「見」や「邪見」があることで、ものごとの本質や真理が見えなくなり、誤った見方をしてしまうのです。


最後に、「正見を育てる方法」についてお話いたします。

実際に実践することにより、偏見や先入観、主観(邪見)が少しずつ取り除かれ、ものごとの本質や真理を見抜けるようになっていくでしょう。


それでは、一緒に学んでいきましょう。

 

「はじめに:りんごは赤い?」より


正見〈正しい見方:Sammā Diṭṭhi〉
ありのままに見る智慧―八正道 ①

チャンディマ・ガンゴダウィラ長老【著】

正見〈正しい見方:Sammā Diṭṭhi〉―八正道 ①  ありのままに見る智慧│チャンディマ・ガンゴダウィラ長老【著】

2024/01/06

【新刊】正見〈正しい見方:Sammā Diṭṭhi〉―八正道 ①

 

苦しみから解き放たれる道「八正道」の要となる「正見(正しい見方)」とは?

・正見とはどのようなものか?
・正見を妨げているものは何か?
・正見の育て方

正見〈正しい見方:Sammā Diṭṭhi〉― 八正道 ①』
チャンディマ・ガンゴダウィラ長老〔著〕出村佳子〔訳〕

新刊(電子書籍が刊行されました。よろしければ、ぜひご一読ください。


◇ ◇ ◇ ◇ 

 目 次


   はじめに りんごは赤い?


 第1章 苦しみから解放される道「八正道」

4つの真理が教えてくれること

8つの正しい道――八正道

中 道

「正見」の2つの役割

 

 第2章 なぜ、ありのままに見られないのか?

外に投影されたこころの世界

ありのままに見るために欠かせないこと

 

 第3章 見方はどのように生まれるのか?

見方が苦しみを生み出すプロセス

落ち着きのこころ「ウペッカー」

 

 第4章 正見とは?

太陽のように明るく照らす「正見」

「正見」は八正道のタネ

誤った見方に気づく

 

 第5章 進むべき道を示す地図とコンパス

見方を超える「No views」

歪んだ認知から離れる

「道」を歩むために――正しい判断力

なぜ、見方に執着してしまうのか?

 

 第6章 苦しみを引き起こす「邪見」

常住論と断滅論

62種の邪見

6人の思想家たち

 

 第7章 正見の実践

   ①10項目の正見

   ②四聖諦の正見

   因果法則としての四聖諦


 第8章 正見は八正道のかなめ

   他の道をサポートする正見

   見方への執着を捨てれば、苦しみはない

   「善」のほうへ

 

 おわりに 智慧の眼で見る


 著者紹介


チャンディマ・ガンゴダウィラ長老
Ven. Dr. Chandima Gangodawila

12歳のとき出家。スリランカの国立スリジャヤワルダナプラ大学で学士号(優等学位)を取得。最優秀賞受賞。博士号を取得。
カナダに渡り、ブリティッシュコロンビア大学で4年間、仏教チャプレンを務め、ヴィクトリア大学で教鞭を執る。
現在、欧米、マレーシア、シンガポール、タイ、インド、スリランカの大学や寺院で、講演や法話をおこなう。
日本でもオンライン法話会や瞑想会を開催。
タイ国立マハーチュラロンコーンラージャヴィドゥャ大学発行『国際仏教ジャーナル誌』の英語エディター。

◎ブログ:Paṭisota ▸ https://patisota.blogspot.com
◎法 話:Youtube Channel ▸ https://www.youtube.com/patisota
オンライン法話会&書籍 ▸ https://sukhi-hotu.blogspot.com/2019/07/ven-chandima.html



正見〈正しい見方:Sammā Diṭṭhi〉
ありのままに見る智慧―八正道 ① 




2024/01/05

地震の中で産声:能登半島大震災

小さな手

「大変な時に無事に生まれてきてくれてありがとう。強い子に育ってほしい」

地震が発生したのは、陣痛が起きてから約2時間後だった。

能登の患者受け入れ:能登半島大震災

断水で透析できず

多量の水が必要となる人工透析を受ける能登七尾市の患者さんを受け入れ、治療とケアが行われる。

安穏でありますように

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出典:北國新聞 2023/01/04

2024/01/04

心寄せて支え合う:能登半島大震災

おにぎり「ありがたい」

「食料が十分にいきわたるまでは生き抜くことを考えてほしい」との気持ちで、備蓄米を使ったおにぎりの炊き出しが行なわれました。

安穏でありますように


クリックすると画像が拡大します
出典:北國新聞 2023/01/04

物資が速く届きますように:能登半島大震災

「水足りない」「薬ほしい」

”水が足りないし、子どもにはミルクがなく、高齢者には薬がない”

必要なものが、必要な人の手に届きますように……

苦しみがなくなりますように……


能登半島地震

2024/01/03

苦しみがなくなりますように:能登半島大震災


とにかく、苦しみがなくなりますように……
2024/01/01 能登半島地震

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出典:北國新聞 2023/01/03